2024年4月にその波乱に満ちた92年の生涯を閉じた人気ピアニスト、フジコ・ヘミングを、2020年から4年間追ったドキュメンタリー。4Kカメラで捉えたダイナミックな演奏シーンを盛り込みながら、どこでもどんな時でも自分らしく生きるフジコの旅路を映し出す。2018年に公開されたドキュメンタリー「フジコ・ヘミングの時間」の小松莊一良監督が本作も手がけ、多くの観客の心を潤すフジコの音色の魅力に迫る。
ストーリー
日本人ピアニストの母とスウェーデン人画家の父の間に生まれたフジコ・ヘミングは、出生地ベルリンから東京に移り、母の手ひとつで育った。幼少期からピアノを始め、やがて高い評価を受けるようになるが、聴力を失う悲劇に見舞われ、それでも演奏活動を続けていった。1999年にNHKのETV特集で彼女のドキュメント番組が放映され、大きな反響を呼び、60 代後半でファーストアルバム『奇跡のカンパネラ』で CD デビュー。以後、世界の著名オーケストラとも数多く共演し、年齢にとらわれず夢を諦めない姿勢は多くの人を勇気づけた。サンタモニカ・パリ・東京などに家を持ち、愛する猫や犬たちに囲まれ、ピアノを弾く毎日が、フジコの愛すべき世界だった。演奏のみならず、その強烈な個性やファッション、インテリア、ライフスタイルでも人気と支持を集めるフジコに、2020年から4年間取材。戦時中に過ごした岡山に残されたピアノとの再会、父や弟との思い出、コロナ禍中の暮らしと祈りを捧げる演奏、思い出の地・横浜でのドラマティックなステージ、さらには秘めた恋の話など、2020年から4年間の彼女の旅路を追っていく。2023年3月、パリのコンセルヴァトワール劇場でのコンサートでは、『ラ・カンパネラ』『別れの曲』『月の光』『亡き王女のためのパヴァーヌ』など、数々の名曲を披露。いつの時代も、どこで暮らしても、自分らしく生きたフジコ。多くの観客の心を潤してきたその音色の魅力に迫る。
スタッフ
監督、編集、構成
小松莊一良
撮影監督
藤本誠司
音楽
フジコ・ヘミング
録音、整音
井筒康仁
演出補
小松上花
プロデューサー
大村英治
プロデューサー
佐藤現
カラリスト
林元太郎
サウンドエンジニア