ドリス・デイ
Jennifer_Goodwin
「百万弗の人魚」のエヴェレット・フリーマンの脚本を、「底抜け00の男」のフランク・タシュリンが監督したスパイ・コメディ。撮影は「華麗なる激情」のレオン・シャムロイ、音楽は「ふるえて眠れ」のフランク・デヴォールが担当した。出演は「ただいま熱愛中」のコンビ、ドリス・デイとロッド・テイラー、舞台・TVのベテラン俳優アーサー・ゴッドフリー、「メイド・イン・パリ」のジョン・マクギバーほか。製作はマーティン・メルチャーと、脚本担当のエヴェレット・フリーマン。
未亡人ジェニファー(ドリス・デイ)は、宇宙ロケット会社のPR係に就職した。ところが会社の上役で、天才的技術者ブルース(ロッド・テイラー)は、彼女が週末を両親の住むカタリナ湾ですごした時のけんか相手だった。一方、まだ独身のブルースは、先だっての美女が部下と知って、心楽しくなった。そして、自分の伝記を書けと命じ、仕事をいいことに、彼女を自宅によんだり、彼女の両親のもとへ、そろって出かけたりした。ロマンチックなカタリナ湾は伝記作成より、2人のロマンの発展の方に役立ったようだ。その頃ブルースが研究している宇宙ロケット「ジスモ」の秘密が、もれているらしいという情報が流れ始めた。そしてジェニファーが怪しいというのだ。ひとりぐらしの彼女は、自宅に“ウラジミル”というソ連名の犬を飼っていた。運動不足のこの犬は、電話のベルを聞くと走りまわるという癖をもっていたので、彼女はしばしばダイヤルをまわし、相手の出ない電話に「ウラジミル」などと呼びかけていた。これをきいた警備員が、彼女をソ連のスパイと思い込んでしまったのだ。しかし、ブルースには信じられなかった。CIAの密偵エドガーがのりこみ、本格的捜査が始まった。その頃ブルースの家で豪勢なパーティーが開かれ、招かれたジェニファーは、偶然、自分が疑われていることを知った。向こうがその気ならと、彼女はわざとスパイらしいふるまいをしてブルース家を飛び出した。帰宅すると、いつぞやブルースの家で会った電気屋のプリターがしのび込んでいた。彼はソ連のチンピラ・スパイで、それまでデタラメの情報を売っていたのだが、せっぱつまり、ジェニファーのもとへ、「ジスモ」の秘密をさぐりに来たのだと告白した。彼女がハンドバッグを開けると、驚いたことに「ジスモ」の設計書が入っていた。そこへ現れたのが、密偵のエドガーだった。彼こそジェニファーのハンドバッグに設計書を一時かくし、安全圏に入ってから奪おうとしたスパイの張本人だった。ブルースらの一行が追ってきて、エドガーは捕らえられた。数日後のカタリナ湾では、ジェニファーとブルースがモーター・ボートを楽しんでいた。
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