管勇毅
悟
心的内面は持たないものの通常の人間とは外から区別がつかない状態・存在を指す脳科学用語“哲学的ゾンビ”から着想を得たSFロマンス。未知の寄生体が妻の脳を蚕食。しかも連続殺人鬼の属性を継承してしまうが、夫はそれでも妻と一緒に生きていくと決める。「笑う胃袋」で第5回TAMA NEW WAVEグランプリを獲得、「梅心中」「渦中のひと」など短編作品を手がけてきた伊刀嘉紘監督の初長編作品。殺処分を宣告された妻を取り返すべく奮闘する夫・悟を「森のカフェ」の管勇毅が、脳を失い心的内面を失ってもなお健康に徘徊する哲学ゾンビとなり無機質な反射行動を繰り返す妻・亜居を「許された子どもたち」の門田麻衣子が演じる。
悟(管勇毅)と亜居(門田麻衣子)の夫婦は、不法投棄の不燃物をあさり、廃材からオーダーメイド玩具を作りながら慎ましく暮らしていた。しかしある日、意図せず持ち帰った昆虫から未知の寄生体が亜居の頭蓋内に侵入し、妻は脳を蚕食され、すこしずつ壊れていった。この奇妙な寄生体疾患には感染者同士が属性を共有しあう特質があり、亜居は連続殺人鬼(竹中凌平)の属性を継承してしまう。感染から1ヶ月後、亜居は全ての脳細胞を失い、自我意識を喪失。心的内面を失ってもなお健康に徘徊する存在“哲学ゾンビ”となっていた。改正脳死法に従い亜居は人権を喪失。さらに一種の危険生物と見なされ、殺処分が決定し……。
悟
亜居
連続殺人鬼
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