ヘンリー・フォンダ
Manny_Balestrero
アルフレッド・ヒッチコックが「知りすぎていた男」に続いて監督したスリラー映画。原作は「悪い種子」のマクスウェル・アンダーソンが書いたが、題材は1953年、ニューヨークで起こった事件に基づくノン・フィクション。アンダースンと「知りすぎていた男」のアンガス・マクフェイルが共同で脚色した。撮影は「放浪の王者(1956)」のロバート・バークス、音楽は「灰色の服を着た男」のバーナード・ハーマンが担当した。主演は「戦争と平和」のヘンリー・フォンダ、「捜索者」のヴェラ・マイルズ、「戦艦シュペー号の最後」のアンソニー・クェイル。
ニューヨークのストーク・クラブでバスを弾く貧乏楽士マニイ・バレストレロ(ヘンリイ・フォンダ)は妻のローズ(ヴェラ・マイルズ)の歯の治療代300ドルを工面するため、ある日、ローズの保険証書を抵当に金を借りようと保険会社の門をたたいた。窓口係のデナリーが、ふとマニイの顔を見て驚いた。忘れもしない、この事務所に2度も強盗に押入った男の顔とそっくり。デナリーは態よくマニイを待たしておいて警察へ急報。マニイは刑事主任バワースとマシューズ刑事によって第110区の警察署へ連行された。身に覚えのないことではあったが、筆跡まで強盗犯人と酷似しており、保険会社の参考人によってマニイは真犯人と断定された。その夜は留置所に、翌朝、手錠をはめられたマニイは予審裁判所で正審までの保釈金7500ドルを要求され、理解に苦しむままにロングアイランド刑務所の独房に入れられた。しかしマニイの姉オルガの奔走で保釈金の工面に成功、マニイは一時帰宅の自由を得た。ローズはオコンナー弁護士(アンソニー・クェイル)に夫の弁護を依頼、ここから困難なマニイの無実を証明する証人探しが始まった。事件当日の記憶をたどり、2人の証人となる人間が見つかったが、不運なことに2人とも既に死亡していなかった。ローズは絶望の余り精神が錯乱、入院の悲劇を迎えた。やがて初公判が開かれた。オコンナーは、保険会社のデナリーの記憶の不確実さを追求したが公判は、更に別の日にやり直しと決まった。ところが、その夜、食料品店を襲ったダニエルという男が捕まえられ、調べが進むにつれて彼が保険会社事件の真犯人と判った。ダニエルはマニイと生写しであった。事件は急転解決、冤罪をそそいだマニイは朗報を伝えるため妻のローズがいる郊外の療養所へ車を飛ばした。ローズは夫の明るい顔を前にして相変らず黙り込んだまま。心に刻まれた彼女の傷は一朝にして癒えないのだ。しかしマニイは、きっと妻を立直らせると誓った。
Manny_Balestrero
Rose_Balestrero
O'Conner
Lt.Bowers
Detective Matthews
Tomasini
Mss.Ann_James
Constnace Willis
Miss Betty_Todd
Olga_Conforti
Robert_Balestrero
Gregory_Balestrero
Gene Conforti
Mama Balestrero
Judge Groat
Miss Dennerly
監督
脚本、原作
脚本
撮影
音楽
美術
編集
セット
[c]キネマ旬報社