2009年に亡くなった不世出の音楽家・加藤和彦の軌跡を追った音楽ドキュメンタリー。日本初のミリオンヒットを生んだザ・フォーク・クルセダーズ結成秘話や日本のポップスの金字塔“ヨーロッパ三部作”に隠された逸話が、貴重映像の数々と共に明かされる。高橋幸宏の強い想いから映画が企画された。企画・監督・プロデュースは、「SUKITA 刻まれたアーティストたちの一瞬」「音響ハウス Melody-Go-Round」の相原裕美。
ストーリー
同じものは作らないをモットーにあらゆるジャンルにわたる不世出の音楽家・加藤和彦の軌跡をたどるドキュメンタリー。ラジオから日本全国へ人気が広まったザ・フォーク・クルセダーズから、日本よりも先にイギリスで評価されたサディスティック・ミカ・バンド、また通称“ヨーロッパ三部作”と呼ばれるアルバム(1979年『パパ・ヘミングウェイ』、1980年『うたかたのオペラ』、1981年『ベル・エキセントリック』)まで、ソロアーティスト、作曲家、プロデューサー、アレンジャーと幾つもの顔を持った加藤和彦。フォーク、ロック、ボサ・ノヴァ、トロピカル・サウンド、レゲエ、タンゴなど、時代時代に敏感に、誰よりも深く様々なジャンルを研究し取り入れていた彼の人生を、海外公演やレコーディング風景などの貴重映像、関係者の証言を交えて振り返る。また、彼の曲を愛する若い世代のアーティストたちがTeam Tonoban(加藤和彦トリビュートバンド)を結成、不朽の名曲『あの素晴しい愛をもう一度』を新たにレコーディングする模様も描かれる。日本のロック・ポップス黎明期から時代を先取りした革新性や音楽性は、今なお世代を超えて多くの人々に影響を与え続けている。