監督、製作、撮影、編集
「精神0」の想田和弘監督による観察映画第10弾。27年暮らしたNYから瀬戸内海の港町・牛窓に移住した想田監督が、新入りの住民として地域に飛び込み、猫を巡る問題に巻き込まれるなか、高齢化著しい伝統的コミュニティとその中心にある鎮守の社・五香宮を映し出す。第74回(2024年)ベルリン国際映画祭フォーラム部門正式招待作品。
ストーリー
瀬戸内海に臨むいにしえの港町・牛窓。そこに佇む小さな鎮守の社・五香宮(ごこうぐう)は、古くから地元の人々に親しまれてきた。数十匹の野良猫が住み着き“猫神社”とも呼ばれている。お参りする人、境内でガーデニングにいそしむ人、草刈りや掃除をする人、ママカリ釣りのついでに立ち寄る人、放課後に遊ぶ子供たち……。様々な人々が、様々な目的で五香宮を訪れる。そんな彼らに混じり、境内で猫に餌をやる人、遠方から猫に会いにくる人、猫の写真を撮りにくる猫好きたちもいる。猫が好きな住民や来訪者には天国のような場所だが、一方で糞尿の被害に眉をひそめる住民たちもいる。一見すると平和な五香宮も、水面下では住民同士の対立の火種が潜んでいた。