トーマス・ミーアン
James_McClellan
フェリックス・リーゼンバーグ執筆の小説から「野蕃な紳士」のダドリー・ニコルスとケニオン・ニコルソンとが脚本をものし「じゃじゃ馬馴らし(1929)」「コケット」のサム・テイラーが監督し、ジャクスン・ロウがクランクした。主なる出演者は「罪は若きにあり」のトーマス・ミーアン、ハーディ・オールブライトをはじめ「愉快な武士道」「春ひらく(1930)」のモーリン・オサリヴァン、ドナルド・ディラウェイ、マーナ・ローイ、スタンリー・フィールズなど。
イースト・リヴァーのだるま船に育ったジョン・ブリーンはニューヨークの空高くそびえ立つ建築物を眺めるたびに若者にありがちな憧れと心のときめきを感ずるのだった。永らく病床にあった母親が臨終の際の言葉により、自分がこの船の船長ブリーンの子ではないことを知った彼は一刻も早くこの無頼な男の手から放れようとある時、激しい格闘の末、河中に飛び込みマンハッタンの河岸に泳ぎついた。陸に上ることは出来たが疲労に耐えずジョンはあるビルディングの基礎工事の穴へ落ちてしまう。掘削機の技師マイク・カーニーは彼を救い出して自宅へ連れて帰る。ジョンはカーニーの娘キャスリンの介抱をうけているうち2人は恋仲となってりまう。やがて彼はカーニーの上役たるジム・マックレランの下で働くこととなった。高い建物にかけられた梁から梁へ仕事しているジョンを見るとマックレランは何故か可愛くてならなかった。ある日若者を自宅に招いた時マックレランはジョンが十数年以前別れた我が子であることを知った。だがただちにそれとは打ち明ける勇気がなかった。マックレランの寵愛をうけていたポーラという女はいたづら心からジョンに興味を感じて誘惑した。純なジョンは彼女の罠に落ちたことはもちろんである。若者の前途を案じたマックレランはポーラを責めたが聞かないので自ら女の家へ乗り込みポーラが尋常の女でないことを知らせてジョンに諦めさせようとした。恋に破れたジョンはキャスリンのもとへ帰った。後追いかけて現れたマックレランは初めて自分が彼の父であることを打ち明けた。だが怒りに燃えるジョンはマックレランを殴打して立ち去った。しかしウェスト判事から、両親が別れるに至った原因は決してマックレランがジョンの母を捨てたのではないこと、マックレランの親が彼等を引き離したものであることを教えられ、己が不明を恥じるとともにジョンは父の駆けつけた。この時マックレランは心の痛手がもとで高所より墜落重傷を負ったが、やがてそれも快方に赴きジョンは父の許しをうけてキャスリンと将来を誓った。
James_McClellan
John_Breen
Kathleen_Kearny
Gerry_Gaige
Paula_Lambert
Captain_Breen
Kearny
Mrs._Kearny
Rose_Breen
Judge_West
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