40年にわたり沖縄戦戦没者の遺骨を収集し続けてきた具志堅隆松を追ったドキュメンタリー。これまでにおよそ400柱を探し出した具志堅。その掘りつづける行為を彼は、“行動的慰霊”だと言う。沖縄本島には南部を中心に、今も3000柱近くの遺骨が眠っているとされる……。山形国際ドキュメンタリー映画祭2015アジア千波万波部門で奨励賞を受賞した『ラダック それぞれの物語』の奥間勝也監督が、生まれ育った沖縄の歴史といまを見つめる。
ストーリー
沖縄戦の戦没者の遺骨を40年以上にわたり収集し続けてきた70歳の具志堅隆松。これまでに、およそ400柱を探し出した彼は自らを“ガマフヤー”と呼ぶ。ガマは沖縄の自然壕、フヤーとは掘る人という意味である。砕けて散乱した小さな骨、茶碗のひとかけら、手榴弾の破片、火炎放射の跡……。拾い集めた断片から、兵隊か民間人か、どのような最期をとげたかを推察し、想いを馳せ、弔う。掘ってみるまで、そこに本当に骨が埋まっているかどうかはわからない。それでも掘りつづける行為を具志堅は、観念的な慰霊ではなく“行動的慰霊”だと言う。沖縄本島には激戦地だった南部を中心に、今も3000柱近くの遺骨が眠っているとされる。沖縄の人々や旧日本軍兵士のものだけではなく、米軍兵士、朝鮮半島や台湾出身者たちの骨もある。そんな島の土砂が辺野古新基地のための埋め立て工事に使われようとしていた。