ロック史上最大の謎のひとつとされる圧倒的な人気バンドが消えた理由、陰謀と真相に迫るドキュメンタリー。1960年代後半から70年代に脚光を浴びたロックバンド、ブラッド・スウェット&ティアーズ。彼らの冷戦下の東欧ツアーの模様や未発表映像、政治に関係した機密データにより、国家的キャンセルカルチャーに巻き込まれて失墜した経緯と、隠された冷戦の歴史を明らかにする。監督は、「ジョン・コルトレーン チェイシング・トレーン」「PEACE BED アメリカVSジョン・レノン」などの音楽ドキュメンタリーを手がけてきたジョン・シャインフェルド。2024年全米脚本家組合賞にてドキュメンタリー脚本賞を受賞。
ストーリー
1967年、ブルース・プロジェクトを脱退したアル・クーパーはボビー・コロンビー、スティーヴ・カッツと共にロックバンド、ブラッド・スウェット&ティアーズを結成。ホーンセクションを従えるロックバンドという斬新なサウンドは、その後のシカゴ、チェイス、タワー・オブ・パワーなどのホーン入りバンドが一世を風靡する先駆けとなった。1968年、『子供は人類の父である』でデビューし全米TOP50入りを果たしたものの、直後にアルが脱退。新ヴォーカルのデヴィッド・クレイトン・トーマスが加入し、セカンドアルバム『血と汗と涙』は7週連続全米1位を記録、1969年グラミー賞にて4部門を制した。そんな絶頂期の中、ブラッド・スウェット&ティアーズは冷戦下の東欧でツアーを行った。50年以上の時を経て初公開となった鉄のカーテンの向こう側で撮影されたフィルム、メンバーや当時の関係者による証言や数々の写真、禁じられていたロックに呼応する聴衆の姿も収められた未発表ライブ映像、さらにはニクソンとヘンリー・キッシンジャー国務長官の間で交わされたアメリカ政府文書、ルーマニア秘密警察からのファイルなどといった機密データにより、ロック史のみならず世界情勢にも繋がる分断の歴史を追い、悲劇のロックバンドが国家的キャンセルカルチャーに巻き込まれた真相に迫る。
スタッフ
監督、脚本、製作
ジョン・シャインフェルド
製作
デイブ・ハーディング
製作総指揮
ジェームズ・シアーズ・ブライアント
共同製作、編集
ピーター・S・リンチ2世
撮影
トリスタン・ホイットマン
音楽
ブラッド・スウェット&ティアーズ
共同製作総指揮
ジェシー・マーフィー
プロデューサー
クライヴ・デイヴィス
字幕