2026年にヒスパニック系で初めてニューヨーク・フィルハーモニックの音楽監督に就任することが決まっている指揮者グスターボ・ドゥダメルに密着したドキュメンタリー。情熱がほとばしる各オーケストラのリハーサル風景の裏側やコンサート演奏も多数収録。第18回難民映画祭上映作品。
ストーリー
1981年1月26日、ベネズエラに生まれたグスターボ・ドゥダメルは、10代の頃から天才指揮者として名だたる巨匠たちの薫陶を受けてきた。2004年、第1回グスタフ・マーラー国際指揮者コンクールで優勝、2009年に弱冠28歳で名門ロサンゼルス・フィルハーモニックの音楽監督に就任した。クラシック界で注目を集めるとともに、『TIME』誌の「世界で最も影響力のある100人」にも選出され、母国の若手音楽家から成るシモン・ボリバル・ユースオーケストラを率いたレナード・バーンスタイン作『マンボ』の演奏動画は世界中で大ブレイクした。2016年にはコールドプレイ、ビヨンセ、ブルーノ・マーズと共にスーパーボウルのハーフタイムショウに出演を果たす。本作は、ジャンルの枠を超えスターへの階段を駆け上がり続けるクラシック界の新ヒーローの物語となるはずだった。撮影中の2017年、政治的混迷を極めるベネズエラの反政府デモに参加した未来ある若き音楽家が殺害される。ドゥダメルは現マドゥロ政権への訴えをNYタイムズ紙に展開し、大統領府と対立。シモン・ボリバル響とのツアーが中止になり、祖国へ足を踏み入れることすらも禁止される。さらに、ベネズエラを代表する音楽教育プログラム『エル・システマ』の責任者の立場からそれまで政治的に沈黙していたドゥダメルは、世論の批判にもさらされることに。しかし、「いつか必ずまた指揮をしに行く」という祖国の子どもたちと交わした約束を守るため、ドゥダメルは世界各地で活動を続ける。その最中、2018年3月24日に恩師でエル・システマ創設者、マエストロ・ホセ・アントニオ・アブレウが逝去。その志を受け継ぐべく、ドゥダメルの挑戦は続く。
スタッフ
監督、脚本、製作
テッド・ブラウン
製作
スティーヴ・ティッシュ
製作
ディーン・シュラム
製作
ハワード・ブラグマン
製作
ニコラス・ペイン
撮影
バディ・スキヤーズ
撮影
リチャード・ピアース
編集
ケイト・アマンド
字幕