監督、撮影、編集
高度経済成長以前の山里の暮らしを当時を記録した膨大な記録写真を手掛かりに、関係者の証言をまとめ環境を破壊しない持続可能な共生社会を築く意義を問うドキュメンタリー。監督・撮影・編集は原村政樹。語りは的場浩司が担当。
ストーリー
戦後の高度経済成長期以前、日本がまだ貧しかった頃の山里を記録した膨大な白黒写真。そこには現代社会からは想像もつかない、まるで江戸時代ではないかと錯覚しそうな暮らしが写っている。電気も水道もガスもない自給自足に近い暮らし。厳しい労働の日々。だが、村人たちの表情は明るく輝いていた……。当時を生きた人たち、現在彼らは80歳を超えているが、まるで昨日の出来事のようにリアルに語り始める。「村には大勢の人が暮らしていて勢いのあった時代だった」「小学生の頃から、毎日、親の仕事の手伝いに明け暮れた」「貧しかったけど村の皆で支え合って暮らしていた」。そんな彼らの証言から、今では失われてしまった共同体の姿が生き生きと伝わってくる。そして、鍛冶屋、炭焼き、養蚕農家、伝統林業、生活雑貨作り、原木椎茸農家といったかつての生業の継承者たちは、山里の環境を守る知恵を受け継いできた。森は20年に一回、伐採することで新たな命が蘇り再生する。森の生き物たちと共存できるようにむやみに資源を乱獲しない。風雪に耐えて育った山の恵みに感謝の心を忘れずに生きる……。それは、持続可能な世界を実現するための知恵でもあった。
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作品データ
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