2016年1月に69歳で死去した伝説的ロックスター、デヴィッド・ボウイの初期を回想するドキュメンタリー。1960年代後半グラムロックの「革命児」から世界の「大スター」へと躍進した時期に焦点を当てる。当時のバックバンドのメンバーたちや、元妻でプロモーターのアンジーが証言。ライブ映像や貴重な写真を交え、グラムロック時代のボウイの変遷を辿る。出演はデヴィッド・ボウイ、アルバム制作などに参加したハービー・フラワーズ、ウッディ・ウッドマンゼイ、ティム・レンウィック、トレヴァー・ボルダー、ボウイの元妻でプロモーターのアンジー・ボウイほか。
ストーリー
60年代後半、デヴィッド・ボウイはグラムロックの先駆者として注目を集め、1969年にリリースされた2枚目のアルバム『スペイス・オディティ』がヒット。その奇抜なファッションとパフォーマンスで世界を席巻していった……。後に妻となるアンジーは、当時、マーキュリー・レコーズの大学生のインターンながら、ボウイとの契約を命じられ、見事締結する。その後、舞台衣装からボウイの見せ方まで全てを仕切ることになる。「ボウイをロックスターにしようなんて誰も考えていなかった」というギターのティム・レンウィックは、会場で熱い公演を行う自信のなかったボウイをサポート。ドラムのウッディ・ウッドマンゼイらは、ボウイの個性的で感傷的な特別な曲を聴き、「僕たちの仕事はこれをロック風に演奏すること」と最高のアレンジを施した。演劇的なバックグラウンドを持つボウイは1972年、アルバム『ジギー・スターダスト』をリリース、架空のロックスター“ジギー”となり、ステージでの奇抜な衣装やメイク、パフォーマンスによってファンの間で神格化されてゆく。当初200人の動員だったボストンで、宣伝ツアー終盤には20,000人を動員。しかし、実際にレコードが売れ始めるまでには2年程遅れがあった。そんななか、ボウイは1973年7月3日のイギリスでの最終公演を最後に“ジギー”終焉を宣言。ボウイを初期から支えていたバックバンド『スパイダーズ・フロム・マーズ』も解散に追い込まれる……。