ソンドラ・ロック
Jackson
1975年にサンフランシスコで実際に起こった事件を基に、女性に潜む暴力性、野性を描く。製作はラリー・スピーゲルと監督のピーター・トレイナー、脚本はアンソニー・オーバーマンとマイケル・ロナルド・ロス、撮影はデイヴィッド・ワース、音楽はジミー・ハスケルが各々担当。出演はソンドラ・ロック、コリーン・キャンプ、サイモア・カッセル、ベス・ブリッケルなど。
明るい陽光に満ちたサンフランシスコ。40歳の誕生日を迎えたジョージ(シーモア・カッセル)は、妻のカレン(ベス・ブリッケル)と2人だけの時を過ごしていた時、サンディエゴの妻の実家から、急を知らせる電話が入った。それは実家に遊びに行っていた息子が盲腸になり入院したから、すぐ来て欲しい、というものだった。カレンは早速、サンディエゴに急いだ。嵐になった夜を、1人家ですごすことになったジョージは、しかし電話で息子の容態がよくなったことを知り、ほっとした。と、その時、玄関でチャイムが鳴り、夜の訪問者にいぶかりながらも、彼はドアを開けた。そこに立っていたのは、ずぶ濡れになった2人の可愛い少女で、彼女たちは友人のパーティに行く途中、道に迷ったので電話を貸して欲しい、というのだ。ジョージは2人を家の中に通した。2人の少女ジャクソン(ソンドラ・ロック)とドナ(コリーン・キャンプ)は、友人に電話をし、迎えに来るように頼んだ後、バス・ルームに消えた。バス・ルームに入った2人が、なかなか出てこないのを不思議に思ったジョージは、ルームを覗いて息をのんだ。彼女らの肉体は成熟した女そのもので、先ほどまで天使のようにふるまっていた姿からは想像もつかないものだった。そして、何と彼女らは、大胆にもジョージにせまり、官能の一夜に捲き込むのだった。翌朝、2人の笑い声で目を覚ました彼は、昨夜の彼女らの話は嘘だと聞かされて、すぐに2人を家の外に出るように命じた。しかし、会社から戻った彼を迎えたのは、送り届けたはずのジャクソンとドナだった。2人は、凶暴にジョージを縛り上げ、鏡の前で、念入りなメイク・アップをはじめた。アイブロウを目に濃くひき、口紅をぬりたくった彼女らは、狂気のごとくジョージ・マニング有罪と叫び、官能のゲームをはじめるのだった。それは、遂には恐怖の処刑ゲームへと進展していった。
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