カッスン・ファーガソン
Lancelot
「ただただメリー・アン」。この映画のこの題名が示すように、我々(作者)はこの映画を通して何の主張をしようというのではない。「廻り会う迄」「終りは大写し」等で独自な味を示したシャーリー・メイスン嬢がフォックス社のスターとなって作った映画で、相手役も軽い持ち味で買っているカッスン・ファーガソン氏である。
我々はふと南ロンドンのベーカース・テレースの町に来て、行きあたりばったりにある戸を開いて、皆様に暫くの間、その家の中をのぞき込んでもらうというのである……と最初の字幕にある。その開かれたある下宿屋の下女メリー・アンは、下宿人の自称天才音楽家ランスロがだんだん好きになり恋しくなった。ランスロも彼女を世にも哀れな少女として可愛がった。そのうちにメリーには莫大な遺産があって、1年後には立派なお嬢さんになってしまった。こうして身分は変わり、境遇が移ってから再会した2人は、やっぱりお互いに大好きな仲なのであった。
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