グロリア・スワンソン
Jerry
「トレスパサー」と同じくグロリア・スワンソンが主演する映画で、「50年後の世界」「サニー・サイド・アップ」と同じくデ・シルヴァ、ブラウン、ヘンダースンの3人組が脚本を書きおろし「極楽島満員」のレオ・マッケリーが監督した。助演者は「地獄の天使(1930)」「近代エロ双紙」のベン・ライオン、「足が第一」のバーバラ・ケント、「彼女の名誉」のモンロー・オーズリー、「空中サーカス」のアーサー・レイクで、カメラは「紐育の囁き」「こうもりは囁く」のレイ・ジューンと「曳かれゆく男」「怪紳士」のグレッグ・トーランド。
ジェリー・トレントは有名な小説家のトニー・ブレイクと熱烈な恋に陥ちていた。そして彼女の妹ジョーンは、ジェリイが2年前に危うく毒牙にかかろうとしたジム・ウッドワードという金持のドラ息子と恋仲であった。だが米国留学中知ったために彼女はジムをそんな色魔だとは知らなかった。トニーは宴会を開いてその席上、ジェリーとの婚約を発表した。そこにはジョーンやその学校時代の恋人バスター・コリンス、ケート伯母さん、ジム・ウッドワードなど来ていた。ジョーンもジムに2人の婚約の発表を求めるがジムは、ジェリーが猛烈に反対するであろうことを恐れて週末ロングアイランドの父の邸に皆を招待して会を催す時まで待ってくれと言う。ジェリーはジョーンとジムとの結婚に大反対ではあるが、ケイト伯母さんがいて明瞭に反対の理由をあげることができない。そこで彼女はバスターの力を借り、ジムとジョーンとの仲を裂くために、2人はしめし合わせてトレント家には気狂いの血統があると称してほとんど成功しかける。ジムはジェリーがひとりいるのをみて好機会となし、またしても激しい求愛をする。ジェリーはこれを逆用してジョーンに、ジムの人格をしらそうと計画し、みごとに成功するが、偶然来あわせた恋人トニーの目にとまる。トニーは誤解し、ジェリーの言いわけを聞かず帰ってゆく。かくてバスターとジョーンは仲直りをするが、ジェリーはトニーと共にヨーロッパへ行くはずであった楽しい旅行の夢も破れ絶望の底に沈んでしまう。ケート伯母さんはジェリーを激励し、トニーの乗り込む船へ構わぬから押しかけてゆけとすすめる。ジェリーもその気になって荷物をまとめ出掛ける。ひと足ちがいでトニーが訪ねて来たが、彼もまたジェリーと離れてからいかに憂鬱な時をすごしているか事情のいかを問わず彼女に会いたいとケート伯母さんに打ち明け、ジェリーが自分の船へかけつけたことを聞いて喜び勇んで取って返す。やがて心から愛し合う2人は一等船室1人分の部屋へ収まることになり、すべての誤解もとけて、楽しいハネムーンの旅に立ったのである。
Jerry
Tony_Blake
Jim_Woodward
Joan_Trent
Buster_Collins
Aunt_Kate
Mr_Woodward
Mrs._Woodward
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