オマー・シャリフ
Archduke_Rudof
クロード・アネの「マイエルリンク」とミシェル・アーノルドの「親王」を「暗くなるまで待って」のテレンス・ヤングが脚色・監督した悲恋物語。この題材の日本公開は1963年と1956年(題名「晩鐘」)に続いて3度目である。撮影は「トリプルクロス」のアンリ・アルカン、音楽は「明日に賭ける」のフランシス・レイが担当している。出演は「ファニー・ガール」のオマー・シャリフ、「めざめ」のカトリーヌ・ドヌーヴ、「ジョージー・ガール」のジェームズ・メイスン、エバ・ガードナーなど。
19世紀末。父のフランツ・ヨゼフ皇帝(ジェームズ・メイスン)の独裁政治に反対し、民主独立運動に加担していたオーストリアの皇太子ルドルフ(オマー・シャリフ)は、ある日、銀行家の娘マリア(カトリーヌ・ドヌーヴ)に出会った。それまで酒場女との束の間の情事に身を委ねていたルドルフは一目でこの純情な美しい娘マリアに惹かれていった。が、2人の仲も母エリザベス皇后(エヴァ・ガードナー)の帰国やエドワード公の訪問などで、スムーズにはいかなかった。ラリッシュ伯爵夫人の仲介で2人は逢瀬を重ねたが、2人の仲は皇帝の知るところとなりマリアはベネチアへ行かされてしまった。ルドルフは早速後を追い、2人は激しい愛に燃えた。そしてオーストリアに戻ったルドルフは皇室の舞踏会にマリアを連れ出し、公衆の前に2人の愛を明かした。そうしたことの成り行きに不安を抱いたエリザベスは2人を皇室の狩猟地のあるマイエルリンクに行かせた。狩猟を楽しみ、2人は愛の日々を過ごした。しかし、ここに思わぬ出来事が起こった。暴動の中で、抵抗派が皇帝の軍隊に鎮圧され、ルドルフのその中での立場も明るみに出てしまった。仕事も、そしてマリアとの恋も、行きづまりだった。ルドルフの心に、ある決意がなされた。マイエルリンクの夜明け辺りの木々をふるわし、2発の銃声が響いた。ルドルフとマリアは永遠の愛の証を、死をもって成し遂げたのであった。
Archduke_Rudof
Maia_Vetsera
Emperor_Franz_Josef
Emperess_Elizabeth
Prince_of_Wales
Countess_Larish
Princess_Stephanie
[c]キネマ旬報社