監督
万能不滅の黄金の指輪をめぐる善と悪の戦いを描くアニメーション。製作はソウル・ゼインツ、監督は「フリッツ・ザ・キャット」のラルフ・バクシ。J・R・R・トールキンの原作をクリス・コンクリングとピーター・S・ビーグルが脚色。音楽はレナード・ローゼンマンが各々担当。
ストーリー
遥か遠い大昔、地球がまだ中の国と呼ばれていた頃、いくつかの偉大な力の指輪が妖精エルフの鍛冶屋たちによって作り出された。そのうち、3つがエルフの王たちに、7つが小人ドワーフの王に、9つが人間の王たちに与えられた。しかし、闇の王国モードルに君臨する魔王ソロンが、運命の山の火口で、それらをすべて支配できる極めつけの指輪を作ってしまった。それは、意思によって姿を消すことができ、身につけた者を悪へ導く力を秘めていたが、人間と妖精エルフの連合軍とソロンが闘った時、指輪は西国の王子によってソロンの指から切り落とされ大河アンデュインの底に沈んでしまった。それから数千年。指輪は2人のホビット族に発見され、さらにホビットの長老ビルボの手に渡った。ビルボは、指輪を甥のフロドに譲り渡し、自らはその魔力でかき消えるようにした。これには地上の正義を目ざす放浪の魔法使いガンドルフの意向がふくまれていた。世界征覇を目指すソロンの悪のパワーが勢力を増し指輪を捜していたのだ。それに対抗する道は1つ。悪の帝国モードルの運命の山の火口に、指輪を投げ込むことだった。それから17年後、フロドは従者サム、従兄メリー、ピピンらを伴い、災いの指輪を破壊すべく、モードルへと出発した。最初の宿泊地ブリーでは、ソロンのために霊界へ送られた9個の指輪の持ち主たちの襲撃を受け、護衛のため参上したガンドルフの友人、アラゴンという剣客と出逢った。次の露営地ウェザートップでは、妖精エルフの王子レゴラスと合流するが、そこで、巨大な激流にのみこまれ、フロドも力尽きてしまう。フロドが気がつくと、そこはリブンデルの王エルロンの城館で、エルロン要請の指輪破壊の決死隊が構成された。しかし、旅のルートと指輪をめぐり仲間の間には亀裂が生じ、アラゴンの指揮に反発したボロミールが指輪をフロドから奪おうとした。争いをさけてサムのみを連れてモードルの境界へ向かったフロドをピピンとメリーが追うが、彼らはオーク鬼に連れ去られ、ボロミールは自分の行動を悔いながら戦死した。アラゴンはピピンとメリーを追い、死んだと思われていたガンドルフと再会した。要塞舵の底でオーク軍と戦い遂に敵を倒し、指輪をめぐる第一の戦争は終るのだった。