ジェフ・チャンドラー
Frank_Merrill
第二次世界大戦末期のビルマ戦線における“陽動作戦”と呼ばれるおとり作戦を描いた作品である。チャールトン・オグバーン・ジュニアの小説をミルトン・スパークリングとサミュエル・フラーが脚色し、同じサミュエル・フラー(「地獄と高潮」)が監督した。撮影はヒジノ・J・ファロリナ。音楽担当はハワード・ジャクソン。出演するのはジェフ・チャンドラー、タイ・ハーディン、ピーター・ブラウンなど。製作に当たったのはミルトン・スパーリング。
1944年のビルマ戦線。日本軍陣地の奥深い密林に、メリルの“略奪一家”と呼ばれる第5307編成部隊が目的地に向かって歩を進めていた。3000人の兵士は心身ともに疲労しきっていた。部隊長フランク・メリル准将(ジェフ・チャンドラー)は長身で頑強な根っからの職業軍人だった。彼は軍医のジョージ・ネメリー将佐(アンドリュー・デュガン)の警告も無視して行軍を続けさせた。本隊の側面には、リー・ストック中尉(タイ・ハーディン)率いるチャウハウンド(ウィル・ハッチンス)、ブルズアイ(ピーター・ブラウン)、コロウィック(C・エイキンス)等の小隊があった。彼らは激闘の末、日本軍陣地を奪取したがメリルはなおも目的地への前進を命じ陽動作戦を展開した。作戦は成功したが、兵士たちの疲労は激しかった。さらにミッチナの日本軍と対戦する英軍の応援に、メリルは心臓麻痺の恐れのある体を押して出発した。夜の山道で敵襲を受け、ついにメリルは倒れてしまった。彼の気力だけで支えられていた部隊は力を失ってしまった。ミッチナへの攻撃など思いもよらぬことのように思えた。最後の力を振りしぼって起き上がったメリルだったが気を失ってしまった。ストックの心は奮い立ち、部下を励ましながらミッチナへの道を歩いて行った。彼の悲壮な姿を見て、兵士たちも従った。その後メリルは飛行機の爆音と砲撃の音で意識を取り戻した。味方の輸送機がミッチナの飛行場に新しい部隊と補給品を運び込んでいた。不可能がついに可能になったのだ。
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Bullseye
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George_Nemeny
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