アリス・デイ
Anna
アルバート・シェルビー・ル・ヴィノ氏のオリジナル・ストーリーを映画化したものでガートルード・オール女史が脚色し、「鉄腕の男」と同じくジョージ・アーチェンボード氏が監督したものである。主役を演ずるのは、「絹の靴下」「娘一人に婿百人」のジョニー・ハロン氏、「ギャング・ワー」のエディ・グリッボン氏、「ゴリラ(1927)」「踊子フィリス」のアリス・デイ嬢、この3人であるが、そのほかに「速力時代」のウォルター・ハイアース氏、等も出演している。キャメラは「アマゾンの紅薔薇」のチェスター・ライオンズス氏。
これは戦前、戦中、戦後のウィーンを背景とした物語である。大戦の勃発する前、マックスとニックとはウィーンのビーア・ガルテンで手品を演じ人々の喝采の的であった。そして2人は大の仲良しであった。戦が起まると、2人は従軍して戦地で国のために戦った。そして戦が終って2人はまたウィーンは全く疲弊していて彼らの働いていたピーア・ガルテンも閉され、飢に迫られた人々は通りにブレッド・ラインを作っていた。そして職を求める人で一杯であった。マックスとニックはどうにもすることが出来なかった。マックスはふとした出来心から戦時成金からビンを盗んだ。それから2人は仕事がないので止むなくこの楽な道を歩むことにした。そうしている内に冬は過ぎ春がめぐって来たが、2人は依然として警察の眼を掠めてこの商売を続けていた。ある日、マックスは己れの時計を盗もうとした若い女を見付けた。それは飢に迫られたアンナという娘であった。マックスとアンナとは日を追うて親しくなって行った。ニックはそれを苦々しいと思っていた。アンナは不図したことからマックスが盗みを働いていることを知り、涙と共に彼をいさめた。その切なる訴えにマックスの心は動いた。そして正道を歩むことを誓った。ニックはそれを心よく思わずアンナを盗人として警察に引渡したが、彼にもまた、良心の囁きが来り、アンナを放免させ、自らマックスの罪をも被て獄中の人となった。そして若い2人に自由を与えてやった。やがて刑期満つる時、ニックもこの2人に加わり、共々に新規まき直しに正直な世渡りを続けることであろう。
Anna
Max
Nick
Manager_of_Beer_Garden
War_Profiteer
His_Wife
His_Daughter
His_Daughter
His_Daughter
Amorous_Swain
Amorous_Maid
Chief_of_Detectives
Merry-Go-Round_Manager
Beer_Garden_Waitress
Landlady
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