ロン・チャニー
Count_Dracula
吸血鬼ドラキュラ物の続編で、「らせん階段(1946)」「暗い鏡」のロバート・シオドマクが渡米後まもなく監督した1943年作品。原作は在ドイツ時代「FP1号応答なし」等を書き、渡米後は怪奇物を手がけているカート・シオドマク執筆、「フランケンシュタインの幽霊」の原作者エリック・テイラーが脚色した。主役は「フランケンシュタインの幽霊」のロン・チャニーで、B級映画に多く出演しているロバート・ペイジ、「卵と私」のルイズ・オルブリットン、「フランケンシュタインの幽霊」のイヴリン・アンカース、「我等の町」のフランク・クレイヴン、「快傑ゾロ(1940)」のJ・エドワード・ブロムバーグ等が共演する。撮影は「歌は星空」のジョージ・ロビンスンの担当。
旧家コールドウェル家にはカサリンとクレアという美人姉妹がおり、姉はフランク・スタンリーと恋仲で婚約の間柄である。ところがカサリンはヨーロッパ旅行をした時、ハンガリアで紹介されたアラカード伯と相語って以来心霊術にこってしまい、到頭伯爵をコールドウェル邸に招待するに至る。フランクと主治医ブルースターが駅に出迎えたが、着いたのは数個のトランクだけだ。その夜、主賓なしの夜会が催されたが、病躯のコールドウェル大佐は宴半ばに2階の自室に引き上げる。ところが程経て大佐はベッドの上で死体となって発見される。夜会が解散したあとアラカード伯は玄関に訪れ、離れに泊まったが翌朝は姿が見えない。大佐の葬式を済まし、遺言状を開くと、姉カサリンには邸宅と荘園を、妹クレアには残りの全部の巨富を与えるとあった。姉は非常に満足げであり、心霊術帰依はいよいよ烈しいし、フランクの求愛には待てと答える。クレアはブルースター博士に変だと告げるので、博士と2人で離れを調べるとトランクが紛失しており、残っているトランクは空である。博士はクレアを自宅に引き取り、ハンガリイの学者ラズロ教授にニューヨークから来てもらう。フランクはカサリンが伯爵と、治安刑事に結婚させて貰ったと聞くや、伯爵をピストルで狙撃するが、伯爵の背後にかくれたカサリンが倒れて死んだ。夢中で彼は博士邸に辿りついて報告したので、博士が行って見るとカサリンはベッドに坐っており、伯爵は結婚した以上主人であると言い、邸に入ってはならぬと宣する。フランクは自首して入牢し、ラズロが到着する。ラズロは伯爵は300年前死んだドラキュラに相違ないと言ったが、ドラキュラの変身といわれる吸血コウモリが活躍している形跡が続々現われる。カサリンも死んで吸血鬼となり、フランクにも吸血鬼となって永遠に生きようと申し出て、それにはドラキュラが邪魔だから抹殺してくれと頼む。フランクは破牢してドラキュラの隠れ家で争闘し、危かったが朝日が上ったのでドラキュラは通力を失った骸骨となる。フランクは次でカサリンの遺骸を焼いて永遠の堕地獄から救った。
Count_Dracula
Frank_Stanley
Katherine_Caldwell
Claire_Caldwell
Doctor_Brewster
Professor_Lazlo
Judge_Simmons
Mme._Zomba
Sheriff_Dawes
Sarah
Colonel_Caldwell
[c]キネマ旬報社