ナンシー・キャロル
Yula
「踊り子夫人」と同じくナンシー・キャロルとフレデリック・マーチが主演する映画で「悪魔の日曜日」「トレスパサー」のエドモンド・グールディングが原作脚色監督したもの。カメラは「海上ジャズ大学」「喧嘩商会」のウィリアム・スタイナーの担任である。助演者は「心を汚されし女」のフィービー・フォスター「愉快の相棒」「波乗り越えて」のアラン・ヘール「怪紳士」「シンガポール航路」のアリソン・スキップワース及びヒュバート・ドルースの面々である。
ボヘミアの首都プラーグであった話である。ユラは落ちぶれた伯爵夫人のひとり娘で、母が経営しているかんばしくない評判のキャバレーのダンサーをしている。このキャバレーの用心棒で野獣のようなビーズルは柄にもなくユラに惚れている。しかも並みはずれた大変な惚れ方で殆ど正気の沙汰ではない。プラーグ市の検事バーケムは市の廓清を思い立ち、評判の悪いキャバレーの閉鎖を命じた。ユラの母親は捕縛去れ投獄されたが、ユラに対しては寛大な処置を取るようにとのバーケムの母及びバーケムの許嫁テレサの願いをいれて、バーケムはユラを感化院にいれないで病院で働かせるように取りはからった。ユラは憤ってバーケムを憎く思った。バーケムはユラに対して哀れみを抱き、それが恋にすすんでいく。用心棒のビーズルはこれを感知してバーケムが地位を失墜するように企み始める。伯爵夫人は放免されて再びキャバレエを開いたので、ユラは保護者のもとに帰ることを許されたバーケムはこれを聞いて、ユラが堕落の道を歩むことを止めようとキャバレーにやって来る。そして彼女を待っている間にバーケムはビーズルのために毒酒を盛られた。正体を失ったバーケムをビーズルは十字路の広場へ引きずって行き、銅像にしばりつけてしまう。この恐ろしい仕業を見たユラは初めて自分が深くバーケムを愛していることを知り、すぐさま広場からバーケムをキャバレーに連れ帰って、バーケムが汚名を被らないようにした。翌朝ビーズルは自分のたくらみが成功しなかったので怒ってキャバレーに現れ、バーケムに襲いかかった。窮鼠却って猫を喰う勢いでバーケムは却ってビーズルを倒した。バーケムは殺人犯として捕縛されたがユラの証言によって無罪放免となった。ユラとバーケムが結ばれたことは言うまでもなかろう。
Yula
Berkem
Theresa
Countess
Biezl
Vincent
Mrs._Berkam
Schmidt
Kafka
Rosenbach
Clown
Matron
Mitzi
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