ファーリー・グレンジャー
Bowie
社会から疎外されたカップルが、そこから逃れようとして犯罪を重ねるはめになりアウトローにおちてゆく姿を描く。製作はジョン・ハウスマン、監督はニコラス・レイで本作品が監督デビュー作にあたる。エドワード・ロビンソンの原作『私たちのような泥棒』を基にチャールズ・スクニーが脚本、レイが脚色、撮影はジョージ・E・ディスカント、音楽はリー・ハーラインが担当。出演はファーリー・グレンジャー、キャシー・オドネルほか。
不況の嵐がアメリカ全土に吹き荒れていた1930年代の南部、ミシシッピー。チンピラのボウイ(ファーリー・グレンジャー)は仲間と脱獄し、彼らの用意した隠れ家でキーチ(キャシー・オドンネル)という娘と出会った。やがて恋におちた2人は、仲間と別れ銀行強盗を働いては隠れ家に身をひそめ、愛をたしかめあう日々を過ごす。貧困にあえぐ南部の民衆たちは、自分達の社会への代弁者のように2人を温かく見守る。しかしそんな2人も何度目かの銀行襲撃のあと、ついに警官隊に包囲されあえなく射殺されてしまうのだった。
[c]キネマ旬報社