マイケル・ダグラス
Michael_Andropolis
いざとなるといつも人生に対して逃げごしになっていたかつてのマラソン・ランナーが、離婚をきっかけに自分を見出すために再び競技に出場する姿を描く。製作総指揮はマイケル・ダグラス、製作はロバート・クーパーとロナルド・M・コーエン、監督・脚本はテレビ「警部マクロード」などのスティーヴン・H・スターン、撮影はラズロ・ジョージ、音楽はアンドレ.ガニョンが各々担当。出演はマイケル・ダグラス、スーザン・アンスパック、ローレンス・デーン、チャールズ・シャマタ、ユージン・レビイなど。日本語版監修は戸田奈津子。イーストマンカラー、パナビジョン。1979年作品。
マイケル・アンドロポリス(マイケル・ダグラス)は34歳。彼は今、妻子と別居し、安ホテルで一人暮しを続けている。彼は医者や弁護士などのエリート・コースを放棄し、以後職を転々とする世渡りが下手な男で、別居するまでは、教師をする妻ジャネット(スーザン・アンスパック)を頼るという状態だった。しかし、ジャネットの方も、彼に離婚を請求するのは、愛していないからなのではなく、彼に立ち直って欲しかったからであった。彼はいま秘かにあることを決心し、それに向ってトレーニングを開始していた。それはオリンピックに出場することだった。かつては有望視された才能のあるマラソン・ランナーだった彼が、再びマラソン競技に挑戦し、自分を確かめようとしていたのだ。幼馴染みのハワード(チャールズ・シャマタ)が経営する自動車会社で洗車係に雇ってもらいながら、彼はトレーニングを重ねた。そして、一方でジャネットを強引にデートに誘い出した。ボストンにやって来たマイケルは、ウォーカー・コーチ(ローレンス・デーン)を訪ねるが、ウォーカーの眼は冷たい。かつてランナーだったマイケルが、大レースには弱く最後の踏んばりどころでいつも投げ出していたのをよく知っているからだ。やがて、オリンピック出場選手3名のうちの1人にマイケルが決まり、彼は地元の期待を一身に集め、モントリオールに向った。そして、スタートの日がやってきた。年齢的なハンデをのりきり、快調に走るマイケルにアメリカ中が湧いた。しかし、終盤に入ったところで彼は転倒し、傍を他のランナーが走りぬけていった。表彰式が済み、夕方をむかえた競技場に泥と血にまみれたマイケルがゴールを目ざして走ってきた。遂にゴールを踏むマイケルを、ジャネットの腕が温かく包むのだった。(日本ヘラルド映画配給*1時間46分)
[c]キネマ旬報社