ジョエル・マクリー
Bob_Lanesfond
これは「キング・コング(1933)」のアーネスト・B・シューザックが「お蝶夫人」「ミラクルマン(1919)」出演の俳優アーヴィング・ピチェルと共同して監督したもので、リチャード・コネルの原作を「キング・コング(1933)」のジェームズ・アシュモア・クリールマンが脚色した。撮影は「青春来る(1931)」「おしゃれ牧場」のヘンリー・ジェラード担任。出演者は「キング・コング(1933)」のフェイ・レイおよびロバート・アームストロング、「南海の却火」「街のをんな」のジョエル・マクリー、舞台俳優のレスリー・バンクス等である。
ニューヨークの金満家でスポーツマンのボッブ・レインスフォードは、ヨットでアルゼンチンへ豹狩りに出かけた。ところが途中で暴風に遭遇し、難破してある孤島に漂着した。その名も知れない孤島には豪然と石造の家が聳えていた。こんな孤島に住む人があるのかと審かりながら、ボッブが訪れてみると、その家の主人というのは貴族らしい身なりをした紳士で、ザロフ伯爵と名乗る男だった。ザロフ伯爵は、その自ら語るところによれば、あらゆる野獣は狩り尽くして、もう野獣には興味を失ってしまい、今では「最も危険なる狩猟」をしている神秘的人物であった。伯爵邸にはボッブの他に、やはり難船で漂着したマーティン・トロウブリッジとその妹イーヴとが厄介になっていた。ある夜、深更ボッブはイーヴに眠りを醒まされた。ボッブは恐怖に震えているイーヴと共に捕獲品室に忍び入って、図らずもそこに人間の首級を発見した。ザロフ伯爵の所謂「最も危険なる狩猟」とは人間の狩猟であったのである。そしてイーヴの兄マーティンは既にその犠牲となって惨殺されたのである。次の獲物になるのは当然ボッブであった。かくて世にも稀なる恐るべき狩猟が始められた。ボッブはイーヴを伴って密林深く逃げ込んだ。跡から伯爵の悪魔の如き眼が追い迫って来る。ボッブが伯爵の猛犬と戦っている最中、伯爵の弾丸に中り、犬諸とも滝の中に墜落し、イーヴは伯爵の手に奪われた。しかし弾丸が命中したのはボッブではなく犬であった。ボッブは伯爵と争闘を開始し、ついに彼を倒れしてイーヴを救った。
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Eve_Trowbridge
Count_Zaroff
Martin_Rowbridge
Tartar_Servant
Ivan
Captain
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