
メイ・マレイ
Arathea_Manning
乙女アラテアはふと罹った熱病からどうしたことかだんだん聴力がなくなって、ついには専門の医師までが不治の病と宣言するようになった。恋人アーサーは無情にも彼女を振棄ててしまう。その後アラテアは聾者の耳が聞える器械の発明に努力するジエラルドに逢い、彼の完成した器械を耳につけ喜び勇んでかつて在学した学校へ行き、子供等を集めて御伽噺などをして聞かせるのであった。その後アラテアはある会社の書記に雇われていたが一日昔の恋人アーサーに逢い、彼の無情を知って気を失い倒れる途端頭を打って不思議や耳が聞こえるようになった。親切な発明家と不幸なりし乙女とはやがて結婚の式を挙げることになった。
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