ローラ・ラ・プラント
Mary_Bragdon
「混線脱線スターは誰だ」「浮かれ胡蝶」に続くローラ・ラ・プラント嬢主演喜劇で「海の野獣」「涙の海路」等と同じくミラード・ウェッブ氏が監督したもの。原作はウェッブ氏氏自らジョー・ミッチェル氏と共同して書き下ろし、ジェームズ・オドノヒュー氏とマリオン・オース女史とが脚色の任に当たった。ラ・プラント嬢の相手役は「相縁奇縁」「桃色の曲者」等出演のトム・ムーア氏と「ペンキ塗り立て」「油断大敵」等出演のブライアント・ウオッシュバーン氏が勤め、アーサー・ホイト氏、ナット・カー氏、ジョスリン・リー嬢が助演している。
保険代理業ジェームズ・ブラグドンは有名な保険嫌いのアントニイ・クリールマンを巨額の生命保険に加入させでもしなければ到底年の瀬が越せそうもないので切りに煩悶焦慮していた。その様子を見るに見兼ねて娘メリーは父のために件のクリールマンに面会を申し込んだが先方ではてんで相手にしなかった。そんなことには遠慮なく父親の許には債鬼が押し寄せる。窮すれば通ずるとの例え通りメリーは不図素晴らしい計略を思いついた。というのは有名な探検家ジャック・スターデヴァントがアフリカ内地探検中食人種のために殺されたという記事が新聞に載っていて、更に氏の著述した探検記が飛ぶが如くに売れつつあることと氏は最近結婚したとの説があるがそのことに就いては氏の親友クリールマン氏も確かなことは知らぬとの趣きが記載してあったので、メリーはこのスターデヴァントの妻に化けてクリールマンに近づき保険に加入させようと考えたのであった。善は急げと早速スターデヴァント夫人と名乗ってメリーはクリールマン邸を訪問した。折柄食人種に食べられた筈のジャック・スターデヴァントは無事にアフリカから帰ったが、自分が死んだとの噂を聞いてわざと本名を秘して、一先ず親友クリールマンを驚かそうとやってきた。思い掛けぬ人の出現からクリールマン邸にはひような喜劇が持ち上がったが、やがて事情が判明すると共にメリーは本物のスターデヴァント夫人になることになり、父の難儀も救われた。
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