ショーン・コネリー
Barley
世界の防衛体制を揺るがす極秘情報を巡り東西の思惑が渦巻く中、国境を越えた男女の愛が芽生える。ジョン・ル・カレの原作を「アイスマン」「愛しのロクサーヌ」のフレツド・スケピシがポール・マスランスキーと共同で製作を兼ねて監督、脚本はトム・ストッパード、撮影はイアン・ベイカー、音楽はジェリー・ゴールドスミスが担当。出演はショーン・コネリー、ミシェル・ファイファーほか。
ペレストロイカが進むモスクワで開催されたイギリス・オーディオ・フェア。セールスマンのランダウは会場で謎のソビエト女性からイギリスで出版社を経営するバーリー・ブレア(ショーン・コネリー)宛に3冊のノートを託された。ホテルに戻ってノートを広げたランダゥは、そこに東西のパワーバランスを一気に崩しかねないソ連の核兵器システムの欠陥が事細かに書き記されているのを見て驚愕した。帰国したランダウはバーリーを探したが酒とジャズを愛し放浪癖のあるバーリーは行方が掴めないため、ノートは英国情報部<ロシア・ハウス>の手に渡った。リスボンにいたバーリーは早速事の信憑性を確かめようとするロシア・ハウスのチーフ(ジェームズ・フォックス)らの厳しい尋問を受けることになった。はじめは寝耳に水といったバーリーだが、かつて「平和保持のためには国を裏切らなければならない。行動の時がきた暁には絶対の協力を」と迫ったソビエトの作家村ペレデルキノで出会った通称ダンテ(クラウス・マリア・ブランダウアー)のことが思いあたった。原稿を運んだカーチャには全く覚えがなかったが、彼女の写真を見せられたときバーリーの心が妙に騒いだ。情報部によりやむなくにわかスパイに仕立てあげられたバーリーはモスクワへ飛び、カーチャとの接触に成功する。ダンテは天才的な物理学者であり、カーチャは彼のかつての恋人だった。ついにバーリーはレニングラードでダンテに再会し、4冊目のノートとカーチャへのせつない愛を携えて帰国する。ところが彼を待っていたのは英国情報部から主導権が移ったCIAによる「これはKGBの罠なのではないか」「バーリーはソ連のスパイなのではないか」といった類いのさらに厳しい尋問だった。最終的な結論を導き出すためバーリーは再びモスクワヘ飛んだ。モスクワではCIAおよびロシア・ハウスの質問および握っているネタを記した買い物ノートと呼ぱれる書類を介してダンテの正体を明らかにしようというものであったが、ダンテは既にKGBによって捕らえられており、カーチャにも身の危険が迫っていた。もはやダンテの命はないと悟ったバーリーは買い物ノートをKGBに渡すことによって、自分自身およびカーチャとその家族を保証するよう密約を結んだ。CIAとロシア・ハウスがその報復としてダンテのノートを出版すれば、バーリーはダンテとの約束も果たせるという算段だった。そして晴れて自由の身になりリスボン港を見つめるバーリーのもとにカーチャが2人の子供と伯父と共に船で到着した。そしてバーリーとカーチャは愛が国境を越えたことを確認し抱き合うのだった。
Barley
Katya
Russell
Ned
Brady
Dante
監督、製作
脚本
原作
製作
撮影
音楽
美術
編集
字幕
[c]キネマ旬報社