ジューン・アリソン
Jo
アメリカの家庭小説の名作といわれるルイザ・メイ・オルコットの「リツル・ウイメン」の映画化で、「哀愁」「心の旅路」のマーヴィン・ルロイが、テクニカラー色彩映画として製作監督した1949年作品。脚本は、1934年にRKOラジオで映画化された時のサラ・Y・メイソン、ヴィクター・ヒアマンのチームに、アンドリュー・ソルトが協力して執筆、撮影は「女の顔」のロバート・ブランク、「悪漢バスコム」のチャールズ・エドガー・シェーンバウム、音楽はアドルフ・ドイッチェの作曲である。主演は「秘めたる心」のジューン・アリソン、「下町天国」のピーター・ローフォード、「悪漢バスコム」のマーガレット・オブライエン、「暴力行為」のジャネット・リー及びメアリー・アスター、新人エリザベス・テイラー、「ラ・トスカ」のロッサー・ブラッツイでルシル・ワトソン、C・オーブリー・スミス、ハリー・ダヴェンポート等が助演する。
アメリカ東北部の町コンコードのマーチ家には、メグ、ジョー、エイミー、ベスの4人の姉妹があった。父は南北戦争に出征していて留守宅は貧しかったが、やさしい母と平和に暮らしている。マーチ家の隣は大金持ちのローレンス家だが、姉妹たちにとっては、こわそうなおじいさんの独り暮らしゆえ、交際はしなかった。クリスマスの朝、ジョーは門口で2人の青年に会った。先日から来ていたローレンス老の孫ローリーと、その友人ブルックだった。姉妹の中でも一番快活なジョーが、ある朝ローリーの部屋の窓に雪だまを投げ彼と友達になったことから、マーチ家とローレンス家の親交は急速に深まった。ある日ローレンス家で開かれたパーティーに姉妹は招かれ、楽しい時を過ごしたが、ジョーがローリーと踊ったことが来客の嫉妬の的になり、清い友情を信じていたジョーの心は傷つけられた。やさしいベスは気むずかしやのローレンス老と仲好しになり、ローレンス家のピアノをいつでも弾くことができるようになった。出征中の父が負傷し、ワシントンで入院したので、母が看護に行かねばならなくなった時、ジョーは旅費調達のため自分の金髪を惜しげもなく切って金に変えた。母の留守中、ベスは貧しい近所の娘の病気を看護したことから猩紅熱に冒され、命はとり止めたものの胸を蝕まれてしまった。ベスの病中ローレンス家との交際はますます深まり、長女メグはブルックと結婚することになった。結婚式の日、ジョーはローリイに愛を打ちあけられたが承諾することはできなかった。心に空虚を抱いてジョーは、かねての希望の作家としての勉強のためニューヨークへ行き、カーク夫人の家に家庭教師となった。夫人の家でドイツ人の音楽教授ベアと知り合い、共に学び共に遊ぶうち、2人の友情は清い愛へと成長していた。叔母の家に引きとられていたエイミーは欧州へ旅立つことになった。欧州にはローリーもいると聞いて、ジョーは何となしにさびしい気持ちになった。ベスが春を待たずに他界した。ジョーは楽しかった4人姉妹の生活をなつかしみ「私のベス」と題する小説を書き、ニューヨークのベアの元へ送った。春が来て去り、初夏の候となった1日、マーチ家には欧州で結婚して帰って来たエイミーとローリーを中心にメグの一家、それに退院して来たパパも集まっていた。その夜ベア教授はマーチ家を訪れて「私のベス」の成功を告げた。ベアの姿を見て、ジョーの心は愛に満たされ、今までの索漠とした孤独感はすっかり消え去っていた。
Jo
Laurie
Beth
Amy
Meg
Professor_Bhaer
Marmee
Aunt_March
Mr._Laurence
Hannah
Mr._March
Dr._Barnes
John_Brooke
監督、製作
脚本
脚本
脚本
原作
撮影
撮影
音楽
[c]キネマ旬報社