セクハラ追放のジョン・ラセターが手掛ける新作アニメ映画に、ディズニー音楽の巨匠が参加へ
2017年に複数の女性社員へのセクハラ行為が発覚し、翌年ウォルト・ディズニー・カンパニーとピクサー・アニメーション・スタジオを退社したジョン・ラセター。現在彼がトップを務めているスカイダンス・アニメーションが手掛けるファンタジー・ミュージカル『Spellbound』に、これまで8度アカデミー賞に輝くディズニー音楽の巨匠アラン・メンケンが参加すると、「IndieWire」など全米各メディアが報じている。
王国を二分した魔法を解く少女の姿を描いた『Spellbound』は、『シュレック』(01)のヴィッキー・ジェンソン監督がメガホンをとり、実写版『ムーラン』(近日公開)のローラン・ハイネクとエリザベス・マーティン、そして『美女と野獣』(91)や『ライオン・キング』(94)といったディズニー・アニメーションの名作を手掛けたリンダ・ウールヴァートンが脚本を担当。メンケンは劇中音楽と主題歌の作曲を手掛けるとのこと。
ジェンソン監督は「アラン・メンケンの音楽は世界中の人々から愛されており、この魔法の世界を音楽で満たしてくれるのはアランしかいないと思っていた。コラボレーションすることができて本当に光栄」と期待を語る。一方でメンケンも「非常に多くの才能ある方々と組むことができてうれしく思う。ヴィッキーやローレン、エリザベスと一緒に働くことを楽しみにしているよ」とコメント。
「トイ・ストーリー」シリーズなど数多の名作を監督し、ディズニー・アニメーション作品の製作総指揮も務めてきたラセターだが、彼がスカイダンス・アニメーションのトップとして表舞台に復帰することを疑問視する声が相次いでいる。同スタジオでは現在『Spellbound』以外にも『ティンカーベルと輝く羽の秘密』(12)のペギー・ホームズ監督がメガホンをとる『Luck』が進行中。同作に声優として出演予定だったエマ・トンプソンは、ラセターの就任に抗議し降板。本作も今後批判の矢面に立たされることは避けられないだろう。
文/久保田 和馬