大腸がんで逝去のチャドウィック・ボーズマン、闘病中に大作出演
アメコミ映画としては異例ながら、主要キャストやスタッフがほぼ黒人のなか大ヒットを記録した『ブラックパンサー』(18)で主役を務めたチャドウィック・ボーズマンが、約4年の闘病を経て8月28日、大腸がんのため亡くなった。43歳だった。
チャドウィックが満面の笑みをたたえたモノクロ写真と共に、チャドウィックの公式SNSで明らかになったもの。「2016年にステージ3の大腸がんと診断され、ステージ4に進行するまでのこの4年間、闘病を続けていた」という。大ヒット作の撮影時にはすでにがんを告知されていたことになるが、がんや闘病生活については公表していなかった。
また、「ロサンゼルスの自宅で、妻や家族に囲まれて息を引き取りました」という内容で、チャドウィックが結婚していたことも明らかに。「Page Six」などによれば、妻のテイラー・シモーネ・レッドワードは歌手で、昨年の10月に婚約し、チャドウィックの病状が悪化する前に、プライベートセレモニーで結婚していたようだ。
2015年頃、知り合った頃はテイラーは大学生だったようだが、密かに愛を育んでいた様子。NBAオールスターゲームを一緒に観戦したり、2019年1月の全米映画俳優組合賞に同席、3月に行われたNAACPイメージ・アワードの受賞スピーチでは、正式に2人の関係を認めていた。
闘病を秘密裏にしていたチャドウィックだが、2017年に米テレビ番組「Jimmy Kimmel Live! 」に出演した際の痩せた姿に心配の声があがっており、最後の公の場となった今年2月、テイラーと共にシカゴで行われたNBAオールスターゲームを観戦した際にもかなり顔つきが変わっていた。しかし今年に入ってからは、昔の写真をアップすることが多く、8月11日には、過去に撮影された民主党副大統領候補のカマラ・ハリス上院議員との2ショット写真も投稿するなど、選挙戦に向けた投票への意欲も見せていた。
また、この4年間、何度も手術や抗がん剤治療を受けながら、『マーシャル 法廷を変えた男』(17)や、6月に配信開始された『ザ・ファイブ・ブラッズ』、撮影が終了している最新作『Ma Rainey's Black Bottom』などいくつもの作品に出演していたことも明らかになった。
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(18)、『アベンジャーズ/エンドゲーム』(19)にも出演して国民的スターとなった若きチャドウィックの死は、多くの人々に衝撃を与えている。
今後は、戦国時代の日本に渡来し、織田信長に気に入られて家臣となった実在の黒人侍、弥助を描いた映画版『Yasuke』で主役を演じることになっていたが、撮影前に息を引き取ることとなった。
NY在住/JUNKO