「タンタンの冒険」の実写映画企画が進行中!フランス映画界の名匠が明らかに
1929年にベルギーで誕生して以来、世界中で愛されつづけているエルジェのバンド・デシネシリーズ「タンタンの冒険」。このたびその実写映画化企画が、『髪結いの亭主』(90) などで知られるフランス映画界の名匠パトリス・ルコント監督のもとで進行していることが明らかになったと「Figaro」などが報じている。
報道によると、先日行われたモンテカルロ映画祭で功労賞を受賞したルコント監督は、「タンタンの冒険」シリーズの一編「カスタフィオーレ夫人の宝石」を原作にした実写映画の企画に着手しており、現在アメリカの権利者と交渉段階に入っていることを明らかにしたという。かつて漫画家として活動した経歴を持つルコント監督は、来年初頭に久々の監督作となる『Maigret and the Dead Girl』の撮影を開始する予定となっており、本作に着手するとすればそれ以降とみられている。
これまで何度も映像化されてきた「タンタンの冒険」。なかでも「なぞのユニコーン号」など3つのエピソードを原作にしたスティーヴン・スピルバーグ監督の『タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密』(11)はモーションキャプチャを利用したアニメーション技術で話題を博し、第69回ゴールデン・グローブ賞アニメーション映画賞を受賞している。その後、同作で製作総指揮を務めたピーター・ジャクソンが監督となり、続編の企画開発が進められていると報じられてきたが、その進捗状況は明らかになっていない。
今回の実写化プロジェクトが実現すれば、60年代に製作された『タンタンとトワゾンドール号の神秘』(61)、『タンタンと水色のオレンジ』(64)以来、実に半世紀以上ぶりの実写映画となる「タンタンの冒険」。シリーズファンが長年待ちわびているジャクソン監督のアニメーション版と、今回明らかになったルコント監督の実写版。どちらも続報が待たれるところだ。
文/久保田 和馬