ブルーレイ&DVD発売!鬼才ジム・ジャームッシュが『デッド・ドント・ダイ』に込めた愛と皮肉とは
『コーヒー&シガレッツ』(03)、『パターソン』(16)など個性的な作品を手掛けてきたジム・ジャームッシュ監督のゾンビ映画『デッド・ドント・ダイ』のブルーレイ&DVDが! スマートフォンに夢中になっている人々にゾンビを重ねたジャームッシュは、痛烈な社会批判が込められたジョージ・A・ロメロ監督の古典を参照しつつ、彼特有のユーモアをプラス。人肉よりも物欲を優先するコミカルなゾンビを創出した。また、映画の常識を覆す展開は、ビル・マーレイやアダム・ドライバーら豪華キャストのとぼけた演技も相まって爆笑必至。「もしも自分がゾンビだったら…」と想像して観てほしい一作。ジャームッシュは本作にどんな愛と皮肉を込めたのか。ひも解いていこう。
“ゾンビの父”G・A・ロメロへのオマージュ
ゾンビ映画の始祖ジョージ・A・ロメロへのオマージュがあちこちに。若者たちが乗る車が『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド』(68)に登場する車と同じなど、さりげない引用がちりばめられている。
気心の知れた俳優たちを使った自由でオフビートな演出
ゾンビ出現を予知していたロニー(ドライバー)はその理由についてクリフ(マーレイ)に衝撃の告白。突然“第4の壁”を超える演出を用い、マーレイとドライバーもそれを楽しんでいるかのように演じている。
物欲が強いゾンビに現代の消費主義社会を投影
本作のゾンビは生前の物欲に従い、コーヒーやWi-Fi、アルコールなどを求めてさまよう。本来無個性であるゾンビに現代の世相を反映し、消費主義社会を強烈に風刺している。
名作&名匠のパロディが満載!
『スター・ウォーズ』シリーズでカイロ・レンを演じたドライバー。彼が演じるロニーの愛車の鍵には、帝国軍の宇宙船スター・デストロイヤーのキーホルダーが付いている。
また、墓場のシーンでは、B級映画の巨匠サミュエル・フラーの墓がチラっと映る。ジャームッシュが尊敬する監督のひとりだ。
日本刀でゾンビを一刀両断するゼルダは、岡本喜八監督作『大菩薩峠』(66)で仲代達矢が演じた侍からイメージを膨らませた。
ブルーレイにはテーマ曲のCDジャケット写真ステッカー付き
ブルーレイ、DVD共にジャケットは大島依提亜氏による日本版ポスター第2弾。ブルーレイ限定特典として、スタージル・シンプソンが書き下ろした楽曲で劇中にも登場する「TheDead Donʼt Die」のCD ジャケットイラストのステッカーが封⼊される。
文/DVD&動画配信でーた編集部
11月4日(水)発売・レンタル
価格:Blu-ray 4800円+税、DVD通常版 3800円+税
発売・販売元:バップ