JUJUの名曲が完璧にリンク!ディズニー作品を輝かせる、日本版エンドソングに注目
これまで“おもちゃの世界”や“頭の中の世界”などユニークでイマジネーションあふれる世界を舞台にした物語で感動を生みだしてきたディズニー&ピクサーが、“生まれる前の魂<ソウル>の世界”を描いた最新作『ソウルフル・ワールド』(ディズニープラスにて配信中)。本作の注目の一つは、作品に込められたメッセージと完璧にリンクしたJUJUの「奇跡を望むなら…(ソウルフル・ワールドver.)」が日本版エンドソングに起用されたことだ。
これまでもディズニー作品では既存の有名楽曲が日本版エンドソングに起用され、大きな話題を呼んできた。今年の夏に公開された『2分の1の魔法』(20)では、スキマスイッチの2005年の大ヒット曲「全力少年」が起用。内気な少年イアンと、陽気な兄バーリーの冒険と絆を描いた同作でに込められた“大切な人との絆が、一歩踏み出す勇気をくれる”というメッセージと、楽曲に込められた“弱い自分をすべて壊して、全力で行動して世界を切り開く”という力強いメッセージが重なることに。
また、近未来の都市サンフランソウキョウに暮らす14歳の少年ヒロと優しすぎるロボットの絆を描いた『ベイマックス』(14)では、ヒロの兄が遺した“人を守り続ける”ベイマックスの物語と、AIが歌う日本版エンドソング「Story」に込められた“大切な人を想い、寄り添うこと”というあたたかなメッセージがしっかりとリンク。日本で広く知られている楽曲を使うことで、世界中から愛されつづけるディズニー作品をより身近なものとして感じることができる日本版エンドソングは、物語に込められたメッセージと感動を後押しする役割を担っているのだ。
そして『ソウルフル・ワールド』は、“夢を叶えたい”音楽教師のジョーと“人間になりたくない”ソウルの女の子22番が冒険の末に“人生のきらめき”を見つけていく物語。日常のなかで見失いがちな大切なものに気付かせてくれる物語と、「奇跡を望むなら…(ソウルフル・ワールドver.)」に込められた“奇跡は日常のなかにあふれている”というメッセージが重なることで、映画の持つメッセージがさらに際立って感じられる。
JUJUにとっても本楽曲は、メジャーデビュー後のセールスが伸び悩んだ時期に、「最後の勝負曲」としてリリースし、初めてのヒット曲となったターニングポイントといえる一曲であり、作中のジョーの心情と重なってエンドクレジットに優しいメッセージを放っている。
これまで以上に深い感動が味わえると、すでに大きな話題を集めている本作。「NHK紅白歌合戦」への初出場など、改めて注目が集まっているJUJUのエンドソングまで注目し、込められたメッセージを受け取ってほしい。
文/久保田 和馬