ジャレッド・レトはアカデミー賞のダークホースに?3大スター共演のスリラーが北米初登場1位に
『ワンダーウーマン1984』(公開中)から始まった、ワーナー・ブラザース作品の劇場公開と同時のHBO Maxでの期間限定配信。2021年に同社が配給する全作品がその対象となるわけだが、その年明け1発目となる『The Little Things』が先週末に北米公開を迎え、初日から3日間で興行収入470万ドルを記録。1月29日から31日の北米興収ランキングで見事初登場1位を獲得した。
いまやハリウッドを代表する俳優のひとりとなったデンゼル・ワシントンと、『ボヘミアン・ラプソディ』(18)のラミ・マレック、そして『ダラス・バイヤーズクラブ』(13)や『スーサイド・スクワッド』(16)のジャレッド・レトが共演した『The Little Thing』は、カリフォルニアを舞台に警官コンビが連続殺人犯を追うというクライムスリラー。『しあわせの隠れ場所』(09)など高い演出力で知られるジョン・リー・ハンコック監督がメガホンをとり、アカデミー賞受賞俳優3人が共演するとあって、公開前から大きな話題を集めていた。
しかしながら批評を集積・集計するサイト「ロッテン・トマト」によれば、本作に好意的な評価をした批評家はわずか48%と苦戦し、観客からの支持も決して高くない。にもかかわらず、先日発表された第78回ゴールデン・グローブ賞ではレトが助演男優賞にノミネート。
人気に左右されやすい同賞の特性に肖ったフロックとの見方もされたが、続けざまに発表になったアメリカ俳優組合賞にもノミネートされるサプライズの連続に、一躍第93回アカデミー賞のダークホースとして急浮上。レトがどんな怪演を見せているのか、日本公開が楽しみになってくる。
なお第78回ゴールデン・グローブ賞にはほかにも、先週末の北米興収ランキングの上位作品が相次いでノミネートされている。2位の『The Croods: A New Age』がアニメーション映画賞に、6位の『この茫漠たる荒野で』(2月10日よりNetflixにて独占配信)が助演女優賞と作曲賞で、7位の『Promising Young Woman』はドラマ部門の作品賞をはじめ4部門にノミネート。
例年であれば賞レースの動向が興収ランキングに影響するのだが、いずれの作品も北米ではすでに配信でも鑑賞することができる現在。次週の興収ランキングにどんな動きが出るのか気になるところだ。
文/久保田 和馬