王配の葬儀で、英王室を繋ぎとめる装いと振る舞いを見せたキャサリン妃
現地時間4月17日に、ウィンザー城で執り行われたフィリップ王配の葬儀に参列したキャサリン妃。英王室で初めてとなる、参列者が黒マスクを着用しての葬儀で喪に服したキャサリン妃の装いは、各メディアが「エレガントで美しく、優しさに満ちあふれている」と絶賛しているが、その理由は装いや所作の美しさだけではないと言えるだろう。
「Express」などによれば、この日のキャサリン妃は、2018年にも着ていた、女性のボディラインを美しく引き出すことで有名な、フランス発ローラン・ムレの胸元がアシンメトリックなワンピースに、キャサリン・ウォーカーのコート、ジミー・チュウのゴールド入りのクラッチバッグとピンヒールという装い。
胸元に光る4連パールのチョーカーネックレスは、エリザベス女王が1975年に日本を訪問した際に贈られたものをアレンジした一品で、かつては故ダイアナ妃も着用している。キャサリン妃は、2017年、エリザベス女王とフィリップ王配のご成婚70周年記念式典でも身に着けていた。
また黒いファシネーターとベールは、ダイアナ妃が1982年のグレース・ケリーの葬儀で身に着けていたものを彷彿とさせ、後部にツイストしたアップヘアの耳元に光る、ダイヤとパールのイヤリングは、1947年、エリザベス女王とフィリップ王配のご成婚祝いにバーレーンの君主から贈られたもの。キャサリン妃も2016年、2018年に着用しているが、1982年にオランダを訪問したダイアナ妃が、このチョーカーとイヤリングをペアで着用しており、まさにエリザベス女王とフィリップ王配、そしてダイアナ妃にオマージュを捧げる装い。エリザベス女王と故人たちを結び付けることで、英王室への畏敬の念を示した。
また、キャサリン妃だけではなく、ソフィー妃やベアトリス王女も着用していたピンヒールは一部で非難の声もあったようだが、あえて着用することで、ヘンリー王子夫妻によって指摘された「過去のしきたりにとらわれた堅苦しい英王室」のイメージを一新し、新しく生まれ変わった英王室を体現しているのではないかという見解もあるようだ。
ヘンリー王子とチャールズ皇太子の確執が伝えられているなかで、ダイアナ妃は不仲のウィリアム王子とヘンリー王子のルーツかつ2人をつなぐ唯一の存在であり、義母が身に着けたものをフィリップ王配の葬儀で着用することは、これまで以上にウィリアム王子に対するサポートとしての意味合いが大きい。さらに今回、フィリップ王配の棺の後ろを歩くヘンリー王子との間に、従兄のピーター・フィリップスを要望したのはウィリアム王子だと言われているが、葬儀後に、聖ジョージ礼拝堂から出てきたヘンリー王子に話しかけ、その後ウィリアム王子と2人になれるように、自身は後ろのソフィー妃と合流するなど、何気なく2人を結びつける役割も果たしたキャサリン妃。
一説によれば、「ヘンリー王子は、英国に到着してからウィリアム王子やチャールズ皇太子に電話をしており、エリザベス女王から、公の場で不仲を見せないことや、ロイヤルメンバーの悪口を言わないという緘口令が敷かれていた」そうで、3人で一緒に出てきたことからも、さすがに仲違いを見せるつもりはなかったようだが、キャサリン妃の計らいが2人の兄弟をさりげなく結び付けたのも確か。それもまたエリザベス女王への忠誠心と奉仕とも言え、全身全霊で英王室の絆を繋ぎとめることに徹した、キャサリン妃の内面の美しさが際立ったようだ。
文/JUNKO