北米ランキングは『ワイルド・スピード』最新作が“ジェット”スタート!意外な作品にも恩恵が?
ついに北米公開を迎えた『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』が、大方の予想通り断トツで首位を飾った先週末(6月25日から27日)の北米興収ランキング。注目の興収は7004万3165ドル。当然のようにコロナ禍以降で最高のオープニング成績であり、パンデミック直前に公開された『バッドボーイズ フォーライフ』(20)や『ソニック ザ・ムービー』(20)をも上回る豪快な出足。堂々とアメリカ映画界の復活を証明した。
シリーズの第3作から第6作までメガホンをとったジャスティン・リン監督が復帰した本作では、ヴィン・ディーゼル演じるドムの弟ジェイコブが登場。独裁者組織の一員として世界を揺るがす陰謀を画策するジェイコブを止めるため、ドムたち“ファミリー”が立ち向かっていくというストーリーが展開する。
当初は2020年の4月に公開を予定していたが、パンデミックを受けて丸1年の延期に。昨年10月には2021年5月28日公開に再延期となり、さらに今年の3月になってさらに1か月の延期を決定。そのおかげで、アメリカ国内のパンデミックが収束に向かい、2大マーケットであるカリフォルニア州とニューヨーク州の屋内収容人数の制限が解除されたタイミングでの公開となったのはまさに幸運。この爆発的なスタートダッシュに繋がった要因と考えられる。
過去のシリーズ作のオープニング興収と比較すると、最高成績を樹立した第7作『ワイルド・スピード/スカイミッション』(15)のおよそ半分なのはさておき、シリーズの人気が上昇気流に乗り始めた第4作『ワイルド・スピード MAX』(09)の7095万ドルとほぼ同水準。スピンオフ作品である『ワイルド・スピード/スーパー・コンボ』(19)のオープニング興収6000万ドルを上回ったことは注目すべき点といえよう。ちなみに全世界興収はすでに4億1869万ドルに到達。上位に君臨する中国の2作品を超えるのは難しそうだが、現在3位の『ゴジラvsコング』(7月2日日本公開)を超えるのは時間の問題だ。
前週首位の『The Hitman’s Wife’s Bodyguard』は3位に陥落。『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』(日本公開中)は驚異的なねばり腰で今週も2位を死守。興味深いのは14週目にして前週の22位から9位に急浮上した『Mr.ノーバディ』(日本公開中)で、これはアメリカ国内のドライブインシアターにおいて、同じユニバーサル配給の『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』とペアで上映されたため。意外なところにも“ワイスピ効果”が現れることとなった。
文/久保田 和馬