北米興収は『スペース・プレイヤーズ』が華麗なスラムダンク!ニコラス・ケイジのキャリアハイと絶賛の新作も

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北米興収は『スペース・プレイヤーズ』が華麗なスラムダンク!ニコラス・ケイジのキャリアハイと絶賛の新作も

先週末(7月16日から18日)の北米興収ランキングは、2週連続の首位が予想された『ブラック・ウィドウ』(公開中&ディズニープラス プレミアアクセスにて配信中)を上回り、NBAのスター選手レブロン・ジェームズが主演を務める実写/アニメのハイブリッド映画『スペース・プレイヤーズ』(8月27日日本公開)が逆転のスラムダンクを決めた。

『スペース・ジャム』をリブートし、ワーナーの人気キャラが集結した『スペース・プレイヤーズ』
『スペース・ジャム』をリブートし、ワーナーの人気キャラが集結した『スペース・プレイヤーズ』[c]2021 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.

ルーニー・テューンズをはじめとしたワーナー・ブラザース作品のキャラクターが多数登場することで大きな話題を集めている『スペース・プレイヤーズ』は、1996年に当時のスター選手マイケル・ジョーダンを主演に迎えて製作された『スペース・ジャム』(96)のリブート作品に当たる。元々同作の直後には続編の企画が始動していたが実現には至らず。その後長い年月を経て、リブートとして企画が再始動。監督降板などの紆余曲折もあって想定以上の時間を要することになったが、映像技術が格段に進化したことなど、25年の空白期間はプラスに働いたようだ。

初日から3日間の興収は3105万3362ドル。これは『ゴジラvsコング』(公開中)の初日から3日間の興収を上回る、パンデミック後のワーナー作品で最高の成績ではあるが、同作は水曜日公開だったため正確な比較は難しいところ(初週末3日間の興収では『ゴジラvsコング』の方が57万ドルほど上回っている)。本作はHBO Maxで劇場と同日配信が行われており(後述するディズニー作品と異なり期間限定の配信となるが)、これまでの例を考えれば2週目の大幅な下落は免れないところ。それでもコロナ禍でファミリー向け作品が息の長い興行を続ける例も多く、希望は捨てきれない。


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【写真を見る】ニコラス・ケイジが相棒のブタを奪われた復讐に燃える男に!?主演最新作『Pig』が初登場写真:SPLASH/アフロ

上位10作品には『スペース・プレイヤーズ』以外にも3作品が初登場。『エスケープ・ルーム』(19)の続編となる『Escape Room: Tournament of Champions』が3位に、作家やテレビ番組のホストとして活躍し2018年にこの世を去ったアンソニー・ボーディンを描いたドキュメンタリー『Roadrunner: A Film About Anthony Boudain』が8位にランクイン。

そして10位には、ニコラス・ケイジが相棒のブタを誘拐されてしまうトリュフハンターを演じた『Pig』が初登場。批評集積サイトの「ロッテン・トマト」によれば、批評家の97%から高評価が寄せられている本作は、これまでのケイジ出演作で最高のスコアを獲得。ケイジの演技についてもキャリアハイとの呼び声も高く、これはもしかすると『アダプテーション』(02)以来19年ぶりのオスカー候補も狙えるだろうか。秋以降に本格化する賞レースでちょっぴり期待しておきたい。

『ブラック・ウィドウ』は大幅な下落率で首位陥落。劇場と配信の共存はまだ遠いか…
『ブラック・ウィドウ』は大幅な下落率で首位陥落。劇場と配信の共存はまだ遠いか…[c]Marvel Studios 2021

また、前週コロナ禍以降で最高のオープニング成績を叩き出す華々しいスタートを飾った『ブラック・ウィドウ』だが、平日もまずまずの興収で推移したものの2度目の週末は前週比3分の1ほどという大幅な下落に。その原因として「The Hollywood Reporter」をはじめ複数メディアは、リピーターの多くが劇場ではなく配信を選んだことや、海賊版の大量流通を指摘。さらに全米劇場所有者協会がディズニーの戦略を非難する声明を発表する事態に。一見成功に思えた劇場と配信の“共存”は、まだまだ多くの課題が残されているようだ。

文/久保田 和馬


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