高畑充希『浜の朝日の嘘つきどもと』で「監督の映画愛と福島の空気感に癒された」柳家喬太郎を“キョンキョン”呼びも
タナダユキ監督が自らのオリジナル脚本を映画化した『浜の朝日の嘘つきどもと』の公開記念舞台挨拶が9月11日にシネスイッチ銀座で開催され、高畑充希、柳家喬太郎、大久保佳代子、タナダ監督が登壇。高畑から「黙れジジイ」とのセリフを浴びたという喬太郎が、「快感でした」と明かし会場を沸かせた。
本作は福島県南相馬市に実在する映画館「朝日座」を舞台に、東京の映画配給会社に勤めていた女性が恩師との約束のために、小さな嘘をついても映画館を守ろうと奮闘する姿を描く人間ドラマ。
主演の高畑は「今日という日を迎えらえれてすごく幸せに思っています」と会場を見渡して感無量の面持ち。「昨年のちょうどすごく暑い時期に撮影をしていました。個人的には自粛期間明けの最初のお仕事で、自分も気持ちがままならないうちに福島県に入った。タナダ監督の映画愛と、福島の空気感に癒されて東京に戻ってくることができた。いまでも鮮明に覚えています」と温かなものとなった撮影期間を振り返っていた。
「こういう場所は慣れていない。座らせていただけるとありがたい」と話して会場を笑わせたのが、「朝日座」の支配人を演じた喬太郎だ。高畑は「クランクインして初日から『黙れジジイ』みたいなセリフがあった」と喬太郎と顔を見合わせて笑い、「『台本に書いてあるからごめんなさい』と思って、最初に謝った。でもそのあとは気にせずやっていたら、言われている師匠の顔がかわいく思えてきちゃって、どんどんエンジンがかかってしまったことを反省しています」と告白した。
喬太郎は「そもそも『黙れジジイ』みたいなことはしょっちゅう言われている」と切りだし、「いろいろな人に言われているので、高畑さんのようなかわいい方に言われることはないので、快感でしたね」とにっこり。「この時間がずっと続けばいいと思っていました」と話して高畑と会場の笑いを誘っていた。
また高畑が「ウィキペディアで(喬太郎が)“キョンキョン”と呼ばれているというのを見て、ずっと師匠のことを“キョンキョン”と呼びたかった。緊張して呼べなかった」と明かすひと幕も。「今日は“キョンキョン”と呼ぼうと思って意志を持って家を出たんですが、さっき舞台裏で師匠が『キョンキョンでいいですからね』と言ってくださって、“初キョンキョン”を達成しました」とうれしそうに話すと、喬太郎は「申し訳ございません。“ジジイ”にしてください」と大照れ。高畑が改めて「キョンキョン」と呼びかけると、喬太郎は「もう死んでもいいや」と真っ赤になり「本当に恥ずかしいです。本家の小泉今日子さんに呼ばれた時も恥ずかしかったですが、それ以来の衝撃が走りました」と汗をかいていた。
取材・文/成田 おり枝