ジュリアン・ムーアらキャスト陣が集結!トロント国際映画祭で『ディア・エヴァン・ハンセン』が上映
第71回トニー賞で作品賞など6部門に輝き、第60回グラミー賞や第45回エミー賞と、アメリカのエンタテインメント界の重要賞を席巻した同名ブロードウェイ・ミュージカルを映画化した『ディア・エヴァン・ハンセン』(11月26日公開)の日本版ポスタービジュアルが完成。また現地時間9日に第46回トロント国際映画祭のオープニング作品として本作が上映された際のレッドカーペットの模様が到着した。
本作は1通の手紙と“思いやりの嘘”をきっかけにしたミュージカル。学校に友だちもおらず、家族にも心を開けずにいたエヴァン・ハンセンは、ある時自分宛に書いた手紙を同級生のコナーに持ち去られてしまう。後日、コナーが自ら命を絶ったことを知るエヴァン。コナーの両親は偶然見つけた手紙からエヴァンとコナーが親友だったと思い込み、エヴァンは思わず話を合わせてしまう。そして促されるままに語ったコナーとの“ありもしない思い出”が、SNSを通じて多くの人々へ拡散し、やがてエヴァンの人生を大きく変えていくことに。
トロント国際映画祭のレッドカーペットに登場したのは、舞台版に引き続き主人公のエヴァン役を演じたベン・プラットを筆頭に、母ハイディ役のジュリアン・ムーア、エヴァンの同級生を演じるアマンドラ・ステンバーグやニック・ドダニ、コナー役のコルトン・ライアン、コナーの父役を演じるダニー・ピノ。そしてメガホンをとったスティーヴン・チョボスキー監督など。
自身の出世作となった『ウォールフラワー』(12)が上映されたトロント国際映画祭の場で、本作が上映されることについてチョボスキー監督は「家に帰ってきたような気分。無事に映画祭が開催されるかさえわからない状況でしたが、私たちはただ、、最初の数百人の観客に観てもらえることを目指しました。いまでも興奮していますし、こうして映画祭を実施できたのは驚くべきことです」と感慨深げに語った。
近年では『グリーンブック』(18)や『ノマドランド』(20)が上映されるなど、アカデミー賞に直結する映画祭として大きな注目を集めているトロント国際映画祭。秋が深まるにつれて本格化してくる賞レースで、本作も存在感を示すことができるのか。期待しながら公開を待ちたい。
文/久保田 和馬