橋本愛、映画は「人生を変えてくれた、救われた」東京国際映画祭のフェスティバル・アンバサダーに就任

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橋本愛、映画は「人生を変えてくれた、救われた」東京国際映画祭のフェスティバル・アンバサダーに就任

10月30日(土)~11月8日(月)に開催される第34回東京国際映画祭のラインナップ発表記者会見が9月28日に東京都内で開催され、「コンペティション」部門を始め、全上映作品が発表となった。本年度のフェスティバル・アンバサダーは、女優の橋本愛に決定。橋本は、東京国際映画祭は「人生を変えてくれた」映画祭だと告白。「ご縁があると思っていた。アンバサダーとしてまた新たなご縁をいただき、心からありがたいなと思ってます」と感激の想いを明かした。

東京国際映画祭ラインナップ発表記者会見に登壇した吉田恵輔監督と橋本愛
東京国際映画祭ラインナップ発表記者会見に登壇した吉田恵輔監督と橋本愛

東京国際映画祭は世界中から優れた映画が集まる、アジア最大級の映画の祭典。今年からメイン会場を昨年までの六本木から、日比谷、有楽町、銀座地区に移転して行われる。今年の「コンペティション」部門には113の国と地域から1533本がエントリーされ、厳正な審査を経た15本が正式出品。国際審査委員長は女優のイザベル・ユペール、国際審査委員は青山真治(映画監督)、クリス・フジワラ(映画評論家)、ローナ・ティー(プロデューサー)、世武裕子(映画音楽作曲家)が務める。

東京国際映画祭は「人生を変えてくれた」映画祭
東京国際映画祭は「人生を変えてくれた」映画祭

同映画祭との関わりについて、橋本は「思い出深い出来事がたくさんある。自分の人生を丸ごと救われたかのような体験をさせていただいた」としみじみ。観客として訪れた際に「作品を観て“映画に助けてもらった”という経験が、この映画祭をきっかけにありました」という。それは第30回の映画祭で上映されたアレハンドロ・ホドロフスキー監督の『エンドレス・ポエトリー』だそうで、「(劇中で)『愛されなかったから、愛を知ったんだ』という言葉があって、目からうろことういうか『ああ、そうか』と感じた。得られなかったからこそ、自分がなにがほしいのかがわかることがある。その言葉を聞いた時に、自分があまりうまく付き合えなかった人たちに対しても『だから私は、こういう気持ちを知れたんだ』と感謝の気持ちが生まれた。自分の人生を変えてくれた」と語った。

これまでにも観客として同映画祭に頻繁に通ってきた橋本だが、「芸術は心の人命を救ってくれるもの」とコメント。「映画、文化、芸術がもっと日本の地中深くに根を張っていけたらいいなという思いがある。皆さんの生活に、映画や芸術がもっといい意味ではびこっていったらいいな」と笑顔を見せ、「この映画祭も、どんどん皆さんの生活の一部になっていくためにはどうしていけばいいのか、前向きに考えていけたらいいなと思います」と意欲をのぞかせていた。

会見には、「Nippon Cinema Now」部門で特集上映される吉田恵輔監督、東京国際映画祭チェアマンの安藤裕康、TIFFCOM事務局長の松本浩、プログラミング・ディレクターの市山尚三、シニア・プログラマーの石坂健治、「ジャパニーズ・アニメーション部門」 プログラミング・アドバイザーの藤津亮太、「東京フィルメックス」プログラミング・ディレクターの神谷直希も出席した。

プログラミング・ディレクターの市山は、新設された「TIFFシリーズ部門」について解説。テレビ放映、インターネット配信等を目的に製作されたシリーズものの秀作をスクリーンで上映するもので、市山は「クオリティの高い作品がある」とテレビ、ネット配信の作品は見逃すことができないものになっていると話し、今年はホラー・シリーズ『フォークロア・シリーズ2』と同性愛を扱った台湾のシリーズ『最初の花の香り』が上映されるという。『フォークロア・シリーズ2』の1作である『フォークロア2:あの風が吹いた』は松田聖子が監督を務めている。またコンペティションについては「おもしろい映画を重視したところ、アジア映画が多くなった」と話していた。


「Nippon Cinema Now」部門で特集上映される吉田恵輔監督
「Nippon Cinema Now」部門で特集上映される吉田恵輔監督

吉田恵輔監督は、特集上映されることに「僕でいいんですか」と恐縮しきり。公開中の『空白』など話題作を常に送りだしているが、「嫉妬や自己顕示欲など恥部みたいなものをさらけだして描いている。でも描いているのは、自分自身の心なんです。俺がいかに小さくて、恥部の塊の人間かを自慢しているかのようにさらけだしている。でもそんな僕でもちょっと変われる可能性があるぜというものを毎回やっている感じです」と映画に込めている想いを吐露。「たくさん映画に救われてきた」といい、「映画離れしてしまった人が、また戻ってこられるような1本を作れるような人になりたい」と目指す監督像を語っていた。

第34回東京国際映画祭は、10月30日~11月8日まで開催。シネスイッチ銀座、角川シネマ有楽町、TOHOシネマズシャンテ、ヒューマントラストシネマ有楽町、有楽町よみうりホール、東京ミッドタウン日比谷 日比谷ステップ広場、東京国際フォーラム、TOHOシネマズ日比谷ほか、都内の各劇場及び施設、ホールを使用して行われる。

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