『リトル京太の冒険』大川五月監督、子役二人の成長に「感慨深い」と目を細める

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『リトル京太の冒険』大川五月監督、子役二人の成長に「感慨深い」と目を細める

国内外で多数の映画賞受賞歴のある新鋭女性監督・大川五月の長編デビュー作『リトル京太の冒険』の初日舞台挨拶が4月1日にシアター・イメージフォーラムで開催され、土屋楓、木村心結、大川監督が登壇。劇中に比べてグッと大人っぽくなった土屋と木村の姿に、大川監督が「感慨深いです」と目を細めた。

短編『京太の放課後』『京太のおつかい』のオリジナルキャストが集結、「京太シリーズ」の完結編となる本作。少年の成長と震災後の“大好きな僕の町”への揺れ動く思いを5年の月日をかけてみずみずしく描くヒューマンドラマだ。

大川監督は「ここまで来るのに、長い道のりでした。今日を迎えられて幸せです」とこれまでの歳月を振り返り、「作品にかけた年月を、お子さんを通して感じる。今日お二人に会って、感慨深い」と子役たちの成長を実感して、しみじみ。「中学3年生になった」と言う京太役の土屋は、シリーズ初期の撮影から「身長は30cmくらい伸びた」と告白して、会場を驚かせていた。

子供たちの生き生きとした姿が映し出されるが、子役二人は「台本を渡されなかった」と話す。大川監督は「大人には台本を渡していますが、お子さんには自然な反応をしてほしかった。楓くんは、短編2本で京太役が染み込んでいたので、台本も渡していないし、内容もほとんど伝えていません」とコメント。

さらに「心結ちゃんは、相手とつながろうという気持ちが強い子。オーディションの時から、これはいけるなと思った」と木村の印象を語り、「心結ちゃんには一回も台本を渡したことがない。(木村演じる)詩織のショットは、心結ちゃんのリアクションを大事に、ほとんど一発で撮った。怖い思いをさせちゃって、ごめんなさい」と謝罪していた。

真夏の撮影となり、土屋は「山を走るところは、暑くて汗をダラダラかいて大変でした」、木村も「汗でベトベトになった」とハニカミ笑顔。頼もしい子役二人を得た大川監督は「もっと京太の成長が見たいという声があれば、いつでも」と今後の展開にも前向きで、「20年近くの長編公開という夢が叶った。また新しい夢、もっと先を見たいと思っている」と語り、大きな拍手を浴びていた。【取材・文/成田おり枝】

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