物語に深みを与える新曲に乗せて…『ディア・エヴァン・ハンセン』本編の重要シーンを先取り!
第71回トニー賞で作品賞を含む6部門に輝き、第60回グラミー賞と第45回エミー賞でも受賞を果たしたブロードウェイ・ミュージカルを、『ウォールフラワー』(12)や『ワンダー 君は太陽』(17)のスティーヴン・チョボスキー監督が映画化した『ディア・エヴァン・ハンセン』(11月26日公開)。このたびMOVIE WALKER PRESSでは、本作の重要シーンの本編映像を独占入手した。
第34回東京国際映画祭でクロージング作品として上映された本作。学校に友だちもおらず、家族にも心を開けないでいるエヴァン・ハンセンは、自分宛に書いた手紙を同級生のコナーに持ち去られてしまう。後日コナーが自ら命を絶ったと知らされたエヴァン。手紙を見つけたコナーの両親は息子とエヴァンが親友だったと思い込み、エヴァンは思わず話を合わせるようにして、ありもしない思い出を語り始める。それがきっかけでエヴァンの人生は大きく動きだすことに。
このたび到着したのは、舞台版に引き続きベン・プラットが演じるエヴァンが、アマンドラ・ステンバーグ演じる同級生のアラナと一緒に「ジ・アノニマス・ワンズ」を歌唱するワンシーン。自信に溢れているように見えるアラナだが、実は悩みを抱え苦しんでいた。そんな彼女が心の内を歌に乗せてさらけ出し、誰も知らない素顔があらわになる。そして孤独に苦しむ多くの学生たちを手助けしたいという願いを打ち明けると同時に、エヴァンを追悼式でのスピーチへ後押しする重要なシーンとなっている。
ここで歌われている「ジ・アノニマス・ワンズ」は、アラナという役のために制作された映画オリジナルの新曲。ステンバーグは楽曲・製作総指揮のベンジ・パセック&ジャスティン・ポールと共同で作詞・作曲に参加。「一緒に曲作りができたのはすばらしい体験でした」と振り返るステンバーグは「苦労した甲斐があって、すばらしい曲を生みだすことができた。とても誇りに思っています」と自信をのぞかせ、パセックは「彼女は才能あふれるソングライターだ」と熱烈な賛辞を贈っている。
劇中にはこの「ジ・アノニマス・ワンズ」以外にも映画オリジナルの楽曲が数多く盛り込まれ、登場人物の内面や物語により一層の深みを与えている。『ラ・ラ・ランド』(16)や『グレイテスト・ショーマン』(17)といった日本でも大ヒットを記録したミュージカル映画のスタッフ陣が新たに贈る感涙のミュージカルを、是非とも劇場でじっくりと堪能してほしい。
文/久保田 和馬