スカイツリーと同じ重さのセット!?“歴史的人災”の再現度がとんでもないことに
2010年4月に発生したメキシコ湾原油流出事故。被害規模は数百億ドルともいわれているこの大規模事故の真相に迫る映画『バーニング・オーシャン』(4月21日公開)では、石油掘削施設内に取り残された作業員たちの脱出劇を、圧倒的迫力のビジュアルと、実力派キャストによる迫真の演技で再現しているが、撮影の裏側はとんでもないことになっていた。
世界に衝撃が走った大事故を再現するために、本作に投じられた予算はなんと1億1千万ドル!日本映画では考えられない、破格のビッグバジェットといえる。そしてこの予算を元に、事故が発生する石油採掘リグをセットで再現しているのだが、そのセットもとにかく規格外だ。
主演のマーク・ウォルバーグが「映画史上最大級」とコメントするセットは、メインデッキの高さ16メートル、ヘリパッドはそこからさらに4メートル上にあり、実際に採掘リグで作業をしていた人も認めるほど再現度が高い。総重量は3万3000トンで、あの東京スカイツリーの総重量(約3万6000トン)とほぼ同じ。
撮影時には1テイクあたり19~23立方メートルもの泥水を使用しただけでなく、可能な限り炎や石油も本物を使用。採掘リグのセット上の温度が130℃にもなることもあったという。さらにはウォルバーグにも、スタントなしで実際に火をつけられる演出を施したりと、リアリティ追求のためには妥協を許さなかった。彼は本作について「正しい表現にできることなら何でもしたい」とコメントし、過酷な撮影に挑んでいくプロの役者魂をにじませている。
数多くの犠牲者が出たメキシコ湾原油流出事故。スタッフやキャストの生存者や犠牲者への敬意が映画にかける熱意と結びつき、これまでにないスケールでの映像化が実現した。大災害の真相とそこにある人間ドラマにぜひ刮目していただきたい!【トライワークス】