“埼玉感”に世界が共感!?サンダンス短編グランプリ受賞作品が公開
4月8日に短編映画『そうして私たちはプールに金魚を、』の公開初日上映&トークイベントが、渋谷ユーロスペースにて開催され、長久允監督をはじめ、出演者らが登壇した。
本作は、2012年夏、埼玉・狭山市で実際に起きた事件をもとに製作された短編映画。次世代の映画監督を発掘するスカラシッププロジェクト「MOON CINEMA PROJECT」の第1回グランプリ作品で、アメリカ合衆国ユタ州で開催された第33回サンダンス映画祭では日本映画として初めて短編部門グランプリを受賞。
さらにフィンランドで開催されたタンペレ映画祭でも最優秀フィクション作品賞を受賞し、「これまで誰も見たことのない、何にも似ていない映画だ!」と、高い評価を受けている。
CMプランナーとしても多くの作品を手がける長久允監督だが、今回は、映画監督として主要キャストと共にトークセッションを実施。海外での評価について「僕は海外で評価されるものとは思っていなかった。評価されるとしたら、ジャパニーズ女子中学生の制服っぽい感じとか、お祭りの日本的なところとかが面白いねといわれるのだと思っていた。そしたら全然そこではなくて、埼玉の閉鎖感が受けたようで。ロスにも出れない、パリにも出れない、そういった閉鎖感。世界中の90%が埼玉なんだというようなことをいわれて。そこは狙ってないよ、ラッキーと思いました(笑)」と、意外な反応を喜んでいた。
また、ブラックジョークなどが盛り込まれている作風については、「ニヤニヤしていただけたらと思って作っていたんですが、アメリカだとニヤニヤではなくて、ゲラゲラ笑いながら見ていただいていたようでした」と、日本人との笑い方の違いに驚いた様子だった。
ちなみに、この題材を映画化したことに関しては「2012年に本当の事件があったとき、ネットでも盛り上がっていて、なんちゅう最高な事件だと思って。映画化希望の声も出ていたんですが、1~2年しても誰も映画化していなかったので、使命感を感じて自分が映画化しました」と話していた。【取材・文/平井あゆみ】