有村架純、森田剛の「瞳に救われた」。朝ドラ「ひよっこ」以来4年ぶり磯村勇斗との共演に喜びも!
「ビッグコミックオリジナル」で連載中の漫画を実写化した社会派エンタテインメント『前科者』(1月28日公開)の公開直前舞台挨拶が1月20日にTOHOシネマズ日比谷で開催され、有村架純、森田剛、磯村勇斗、石橋静河、岸善幸監督が登壇。有村と森田が、保護司と“前科者”として初共演を果たした本作。有村は「瞳の美しさにハッとさせられた」と森田についてコメント。「奥底から心根の優しさが感じ取られて、その瞳に救われたような気がしました」としみじみと語った。
罪を犯した“前科者”たちの更生と社会復帰を目指し、彼らと向き合いながら奮闘していく保護司、阿川佳代の姿を描く本作。佳代のもとで更生し社会復帰へと近づいていたが、ある日忽然と姿を消し、再び警察に追われる身となる男、工藤誠を6年ぶりの映画出演となる森田が演じている。完成した作品について、有村は「皆さんのお芝居がすばらしくて、実力のある方々に囲まれてお芝居に参加することができていたんだなと、観終わった後にじわじわとうれしさをかみ締めていました」と喜びを吐露していた。
撮影は緊張感のあるものだったそうで、有村は「山場のシーンも乗り越えて、撮影の残り2日間くらいでようやく『趣味はなんですか』というところから始まり(笑)」と、森田と和やかな会話ができた瞬間を述懐。「お芝居を通しても目線をあわせてのシーンがあまりなかった。お話させていただいて初めて、目をしっかり見た時に瞳の美しさにハッとさせられてしまった」という。一方の森田も「役を通して、人に対しての寄り添い方や諦めない強さなど、(有村の)パワフルなところが見られた。すごくうれしかったです」と有村との共演に刺激を受けたことを明かしていた。
有村と磯村は、連続テレビ小説「ひよっこ」で夫婦役を演じて以来、約4年ぶりの共演となった。有村は「本当に久々で照れ臭さもありながら」と微笑みながら、「4年間にお互いにいろいろな経験して、いろいろなものを見てきたはず。(磯村は)とても充実された目をされていた。そういった姿でお互いに再会できたことは、とても喜ばしいことだなと。ご本人の性格みたいなものはいっさい変わっていなくて、いつも穏やかで自分自身と向き合っているような方」と語る。「この撮影を楽しみにしていた」という磯村も、「感慨深いところもありましたし、照れ臭いところもあった」と同意。「安心感もあります。なにを投げても受け止めてくれる。さらに人としても女優さんとしても、大きく羽ばたいているんだなと現場で感じました」とうれしい再会になったと話す。また有村と石橋は劇中同様にいいバディとなったようで、お互いに「大好きです」と告白して、笑顔を見せ合っていた。
また主人公の佳代が人々の手助けをしていることにちなみ、「勇気づけられた経験」について語ることになると、磯村は「架純ちゃんの存在は大きい」と告白。「朝ドラを一緒にやって、連絡を取り合うこともあるんですが、『お互いに頑張ろうね』といつも送ってくれる。そもそもすごく先に進んでいるのに、貪欲に芝居を突き詰めようとしている。頑張っている同世代がいて『頑張ろうね』と言われたら、頑張らなきゃいけないとムチを叩かれているような感じもあって(笑)。一緒に頑張っていきたいし、勇気をもらっています」と続けると、有村も「大切な仲間」と目尻を下げた。
「僕も磯村さんと同じで『頑張ろうね』という言葉」だと口火を切った森田は、「歯医者さんです」と回答。思わず周囲も笑顔になっていたが、森田は「歳も同じくらいかな。歯医者さんで『頑張ろうね』と言われたら、『よし、俺も頑張ろう』って」と語り、有村から「治療ですか?」と聞かれると、「治療です。嫌いじゃないんですけどね。緊張します」と意外な一面を披露して会場を盛り上げていた。
取材・文/成田おり枝