アカデミー賞授賞式、ウィル・スミスの平手打ち&胸ポロでも歴代ワースト2位の視聴率

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アカデミー賞授賞式、ウィル・スミスの平手打ち&胸ポロでも歴代ワースト2位の視聴率

現地時間の27日にロサンゼルスのドルビー・シアターで行われた第94回アカデミー賞授賞式の視聴率が、歴代ワースト2位だったことがわかった。

「Nielsen」の調査結果に基づいて「NY TIMES」などが明らかにしたところによると、平均視聴者数は1660万人。コロナ禍での対面実施にはこだわったものの、規模を大幅に縮小して行われ、史上最低の視聴率となった昨年の視聴者数1040万人と比較すると58%の伸びを示したが、歴代ワースト2位の数字。一方で同授賞式をオンエアしたABCによれば、ソーシャルメディアによるオスカー関連のアクセスは、昨年比139%の伸びを示しているという。

ウィル・スミスによるクリス・ロックへの平手打ち事件が、話題をさらった第94回アカデミー賞
ウィル・スミスによるクリス・ロックへの平手打ち事件が、話題をさらった第94回アカデミー賞[c]Richard Harbaugh / A.M.P.A.S.

そんななかでも、妻ジェイダ・ピンケット・スミスの髪型をジョークにされ、激怒したウィル・スミスが壇上でクリス・ロックに平手打ちを食らわせた直後には、視聴者数が55万人も増加。トロイ・コッツァーが、聴覚障害を持つ男優として、初の助演男優賞に輝いた際のスピーチでピークを迎えた1770万人には及ばなかったが、アクシデントにより視聴率が爆上りしたことは間違いないようだ。

また、ウィルがロックを平手打ちしたことで、授賞式に出席していたセリーナと姉のヴィーナス・ウィリアムズらの様子が映し出されたが、もともとバストラインぎりぎりのエリー・サーブの白いドレスを着ていたヴィーナスが、困惑して腕を寄せたことで、左の乳首露出のハプニングが発生。ツイートが飛び交い、授賞式を視聴し始めた人も多かったとか。右腕は意識的にバスト部分をサポートするために寄せられたという意見もあるようだが、的が外れてしまったようだといったツイートの内容を「NY Post」などが伝えている。

ヴィーナス・ウィリアムズは、左の胸元が露出してしまうハプニングに見舞われた
ヴィーナス・ウィリアムズは、左の胸元が露出してしまうハプニングに見舞われた[c]Richard Harbaugh / A.M.P.A.S.

今回脱毛症のことで揶揄されたウィルの妻ジェイダは2016年のアカデミー賞で、俳優部門にノミネートされた20人が全員白人だったことから、授賞式のボイコットを表明。その後緩やかではあるが、映画芸術科学アカデミーは“白すぎる”高齢男性からなる会員メンバーの改善を試みてきた。

今年は大方の予想を裏切って、作品賞にAppleが配信する映画『コーダ あいのうた』(公開中)が、主演男優賞にウィル、助演女優賞にアリアナ・デボーズと有色人種が、またトロイ・コッツァーが助演男優賞受賞を果たしたことで、欠落が指摘されていた多様性が一歩前進したように思われたが、視聴率の伸長に影響はなかった結果だ。

助演男優賞を受賞したのは『コーダ あいのうた』のトロイ・コッツァー。聴覚障害を持つ男優として、初の助演男優賞
助演男優賞を受賞したのは『コーダ あいのうた』のトロイ・コッツァー。聴覚障害を持つ男優として、初の助演男優賞[c]2020 VENDOME PICTURES LLC, PATHE FILMS


また今回はプレゼンターのロックが黒人だったことから、黒人のジェイダを揶揄したことで人種問題は取り沙汰されなかったが、話題は受賞者や作品ではなく、ウィルの平手打ちに集中。日本では『ドライブ・マイ・カー』(公開中)が国際長編映画賞を受賞し話題を集めているが、アメリカなどでは平手打ちに関する意見や、映画芸術科学アカデミーのウィルへの処遇などに関する話題が中心となっている。

文/JUNKO

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