小林陵侑が明かす師匠、葛西紀明とダンブルドアの共通点「背中で語るタイプ」
『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』(4月8日公開)公開直前イベントが4日、新宿バルト9にて開催され、スキージャンプの葛西紀明、小林陵侑両選手が登壇した。イベント開始早々、満面の笑みで「早く内容が言いたい!」と興奮気味の葛西は、時折、登壇時に手渡された杖を振り、魔法をかけるような仕草を見せる。「オブリビエイト!」と小林に向かって呪文を唱える葛西に対し小林は「記憶が消されてしまったので、教えてもらったことも全部忘れてしまいました」とお茶目に返答するなど、息ぴったりの師弟関係を見せ、会場は和やかなムードに包まれた。
本作の見どころを「正義や愛、師弟関係の絆を感じた」と伝えた葛西は、選手でもあり監督も務めている立場。「選手としてももちろんがんばっているけれど、後輩たちがいち早く世界のトップに立てるよう、力を尽くしています」と微笑み、小林をはじめ後輩の姿から学ぶことも多いと柔軟な姿勢も見せる。「自分自身も結果におどろいている」と語ったスキージャンプ男子で2022年の北京五輪ノーマルヒル金メダル、W杯個人総合優勝など、今シーズン絶好調の小林には「いま、教えることは特にない」とし、その理由を「スキージャンプは波がある世界。僕自身の経験から、調子がよくないときにコツを教えようと思います」と頼れる師匠として優しい言葉をかけていた。
葛西は、厳しいトレーニングを乗り越えるために「笑顔」を心がけているとニッコリ。「名前にも“明るい”という文字が入っているので、みんなと一緒に笑顔で日々、トレーニングしています」と話した。小林に伝授した呼吸法、「レジェンドブレス」については「詳細は秘密」とニヤリ。続けて「詳しい方法は、本に書いてあるので、ぜひ購入して下さい!」とちゃっかりアピールし、会場の笑いを誘った。この呼吸法について小林は「レジェンドブレス(改)」を取り入れていると告白。小林が自身でオリジナルにアレンジした呼吸法を採用していることに、ちょっぴり残念そうな表情を見せつつも、「いまは僕の呼吸法も必要ないと思います」と小林の強さに太鼓判を押していた。
映画では、ダンブルドアたちが秘密の作戦を実行していく。師匠である葛西と二人で計画して成功した「秘密の作戦エピソード」を求められた小林は「遠征先にもちょくちょくLINEをくれます。応援メッセージと一緒に、作戦も送ってくれます」と笑顔で感謝。さらに自身のオリジナルの作戦、リラックスを組み合わせて厳しい戦いに挑んでいることも明かしていた。「ダンブルドアがかっこよかった!」とうれしそうに語る葛西について「細かいことは言わない。ダンブルドアのように背中で語るタイプ」と2人の姿を重ねていた。葛西は「映画館で音も一緒に楽しんでほしい!」と呼びかけ、小林は「アクションも楽しいし、魔法動物たちもすごくかわいいです。まさに、金メダル級の作品です」と映画の魅力を伝えイベントを締めくくった。
取材・文/タナカシノブ
※葛西の「葛」は、中が「ヒ」が正しい表記