逝去したザ・ウォンテッドのトム・パーカー、同じ病気の女性をサポート「トムが娘を闇から救い出してくれた」
現地時間3月30日、33歳という若さで亡くなった英国の5人組ボーイズグループ、ザ・ウォンテッドのトム・パーカーが、亡くなる6週間前まで、同じ病と闘っていた10歳年下の女性をサポートしていたことがわかった。
パーカーは、2020年夏に、ステージ4の脳腫瘍で手術不能な膠芽腫に罹患していると告げられたことを、Instagramなどで同年10月に明らかにしていた。化学療法と放射線治療を受け、昨年10月には病状が安定していることをファンに報告しており、チャンネル4ではザ・ウォンテッドとトム・パーカーの闘病を追ったドキュメンタリー「Tom Parker: Inside My Head」もオンエアされていた。
パーカーがサポートしていたのは、昨年4月に、同ドキュメンタリーの取材をきっかけに知り合った優等学位(イギリスの大学の学士課程で優秀な成績を収めた学生に与えられる学士号)で法学部を卒業したアマニ・リアクアットという23歳の女性で、婚約もしていたが、パーカーと同じ病気で今年2月21日に帰らぬ人となった。
リアクアットの母親が引き継いだInstagramの11月の投稿を見ると、昨年4月27日、「Tom Parker: Inside My Head」の撮影で、パーカーはリアクアットを訪問していたそう。またパーカーがリアクアットのポッドキャストChat2Amaniで、リアクアットのインタビューに答える様子を捉えた動画も掲載されている。
リアクアットの両親が「The Mirror」に明らかにしたところによれば、「コロナ禍もあり誰にも会うことができなくなったアマニの心は完全に閉ざされてしまっていました。トムは娘が個人的に会った数少ない同じ病気と闘っていた人の1人ですが、ドキュメンタリーの取材で知り合ってから、トムは娘のライフラインになりました。トムが娘を闇から救い出してくれたのです」。また、「娘は、『私はトムと友だちなのよ』と嬉しそうに話していました。昨年9月には、ロイヤル・アルバートホールで行われたザ・ウォンテッドのコンサートにも招待され、『Chasing The Sun』『Glad You Came』を楽しみましたが、不安が日に日に増していき、手術の前に娘がトムにテキストメッセージを送ると、トムは『君は大丈夫!間違いないよ』という励ましのボイスメッセージを送ってくれた」という。また昨年11月には、「僕たちはまだ若いんだし、死なないよ。大丈夫大丈夫」といった前向きなテキストメッセージを送り続けていたそうだ。
2009年に結成されたザ・ウォンテッドは、2014年に活動を休止していたが、2021年、がん治療支援のチャリティコンサートを開く目的で再結成していた。パーカーには、2018年に結婚した妻ケルシーとの間に、2歳の娘と1歳の息子がいる。
文/JUNKO