笑福亭鶴瓶、グルー役を12年担当も「いまだに監督にめちゃめちゃ怒られる」と告白
世界中で“ミニオンブーム”を巻き起こした「ミニオンズ」シリーズの最新作『ミニオンズ フィーバー』(7月15日公開)の日本語吹替版完成会見が6月8日に都内で行われ、笑福亭鶴瓶、市村正親、尾野真千子が登壇。主人公グルーの役の鶴瓶が「アフレコにすごく長いことかかる。まだ馴染んでいない」とグルー役を演じる苦労を明かした。
『怪盗グルーの月泥棒』(10)で初めてスクリーンに登場し、そのユニークな存在感で世界中で大人気となったキャラクターのミニオン。本作では、1970年代を舞台に怪盗グルーとミニオン最大の謎である“始まりの物語”が描かれる。
鶴瓶は「ようやくこの日が来てうれしい」としみじみ。新キャストとして、グルーが憧れる悪党グループの元リーダー、ワイルド・ナックルズ役を演じる市村は「憧れの『ミニオンズ』に参加できて幸せ。先日、次男と一緒に映画を観た。『パパやったね』と言ってもらえて鼻が高い。次は長男と観に行こうと思います。お兄ちゃんに観てもらったら、また僕の価値が上がると思う」と父親としても喜びだったという。
ミニオンたちの前に立ちはだかる最強悪党チームの女リーダー、ベル・ボトム役の尾野は「私も、姪っ子、甥っ子たちも、ミニオンが大好き。姪っ子、甥っ子たちに『こういう仕事をやっているんだよ』と胸を張れる。(自分が出演する作品は)地味な映画が多いので」と周囲を笑わせながら、「やっぱり姪っ子、甥っ子たちはこういう作品が好き。姪っ子、甥っ子孝行ができる」と大きな笑顔を見せていた。
怪盗グルー役を12年続けている鶴瓶。本作では11歳の少年グルーを演じたが、「毎回、声を吹き込むまでに時間がありますので、一回、一回が初回みたいなもの。僕は下手でね。アフレコをするのはものすごく長いことかかるんです。十何年やっているんですが、それがまだ馴染まないというか。映画を観た時に本当に『やれたんだな』と思う」と率直な想いを吐露。アフレコでは「監督にめちゃめちゃ怒られる」そうで、「この歳になってこんなに怒られることがあるかと思うぐらい。『もういっぺんやってください』『違う』とかよく言われるので。恐怖なんです。いまだに慣れないですよ」と苦笑いを見せつつ、「うまいなあ」と市村と尾野の演技を絶賛していた。
とはいえすっかりグルー役としてお馴染みとなった鶴瓶。街を歩いていると「親子連れや子どもからは『鶴瓶』じゃなくて『グルーや』と言ってもらえる。(子どもには)『ボブ、どうしたんや』とか言うてあげるんです。そうすると『顔が違う』と言われる。そこまで浸透しているということが、うれしい」と役になりきって街の子どもたちとも交流できることを喜び、「ミニオンたちはグルーのためにいろいろと動いてくれる。そんなところがものすごく愛おしい」とミニオンたちにも愛情を傾けていた。
またこの日は、映画に少年のグルーが登場することにちなみ、それぞれが幼いころの写真を披露するひと幕も。笑顔を弾けさせた少女時代の写真を見せた尾野は、「家族と撮っているから、こういう顔を見せている。このころは人見知りがすごくて。他人と会話することができなかった」と意外な過去を紹介。鶴瓶と市村から「そんなにいまと変わっていない」と評され、うれしそうに目尻を下げていた。市村が「帽子を横に被っていて、もう自分を演出している。構ってもらいたいから、こっちから行くような子ども」と話すと、鶴瓶は「いまと変わっていない!」と大笑い。その鶴瓶は目を細めた笑顔の少年期の写真を見せ、尾野は「まんまや!」、市村も「相変わらず目が細いよね」と続くなど、3人で大盛り上がりだった。
取材・文/成田おり枝