SKIPシティ映画祭オープニング作品『世界の始まりはいつも君と』舞台挨拶に映画祭常連、磯部鉄平監督登場!
2019年以来、3年ぶりのスクリーン上映と、オンライン配信を併用した初のハイブリッド開催となる「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭」が16日、SKIPシティ 彩の国ビジュアルプラザにて開催され、オープニング作品『世界の始まりはいつも君と』の上映前に舞台挨拶を実施。ワールドプレミア上映となる本作に出演している手島実優、根矢涼香、栗生みなが、磯部鉄平監督と共に登壇し、本作への想いを語った。
本映画祭で3年連続ノミネート、3年連続受賞を果たしている磯部監督が本作で描くのは、パラレルワールドで展開する女子高生たちの生死を懸けた青春群像劇。原作は麻草郁の人気舞台「アリスインデッドリースクール」だ。冒頭の挨拶で磯部監督は「ずっと自主制作をやってきましたが、依頼されて作品を作るのは初めてでした」としみじみ。女子校が舞台となるため、キャストはほとんど女性だったことに触れ、「素敵な女性に囲まれ、緊張しながら制作しました」と照れ臭そうに振り返ると、根矢が「緊張?」とすかさずツッコミを入れる。手島も続いて「監督は女性なのではないかと思うくらい馴染んでいました」と暴露し、会場は笑い声と和やかな空気に包まれた。
キャラクターを掴むのはそれほど難しくなかったという手島だが、「漫才の掛け合いはめっちゃ難しかったです」と苦笑い。「自分はこんなにもおもしろくない人間なんだ、と反省しまくりでした」と明かし、肩を落とす場面もあった。手島のコメントに「お芝居とは別物だよね」と語った根矢は、役へのアプローチについて「とにかく不機嫌な役でした。コロナ禍を挟んでの撮影だったので、私自身も精神的に不安定な部分がありました」と述懐。その不安定な様子を「まるでおぼろ豆腐のよう」と表現し、自分自身の不安な要素を芝居に活かしたと説明していた。
栗生は、3人のなかで唯一、原作となった舞台にも出演し、映画と同じ役を演じている。一匹狼というキャラクターになり切るために、現場ではなるべく誰とも話さず一人でお弁当を食べていたという栗生は本作のエンディングも担当している。「これは、OVA『アリスインデッドリースクール』で歌ったものです。この作品のために作られた曲なので、映画にも使っていただき、とてもありがたく思っています」と、満面の笑みを浮かべていた。
今回の映画化は、驚くほどトントン拍子に決まったという。「原作者の麻草さんと高円寺の居酒屋で意気投合したのがきっかけです。その日、初めましてだったのですが、いろんな話をしてめちゃめちゃ仲良くなりました」とうれしそうに振り返った磯部監督は、「僕の自主映画のリンクを送ったら次の日に『映画をやりましょう!』って連絡が来たんです。大阪在住なので、その日戻る予定だったのですが、そのままプロデューサーのところに連れて行かれて、監督をやることになりました」と映画に参加するまでの経緯を明かした。
最後の挨拶で手島は「漫才のシーンで笑ってくれる人がいるのか、気になっています」とちょっぴり不安気な表情を浮かべつつも、「私も一緒に楽しみます。感想を聞かせてください!」と改めて来場者に呼びかけた。根矢は「舟に乗った気持ちになって、揺らされてください」と物語の楽しみ方をおすすめし、「映画に翻弄されてほしいです!」と笑顔を浮かべた。栗生は「10年以上続いた作品です」と原作となった舞台にも触れ、「大きなスクリーンで、映画として観ていただけることがすごくうれしいです。皆さんと一緒に体感したいです」と意気込んだ。磯部監督は「コロナ禍を挟んだ撮影でしたが、キャストを変更することなく最後まで作ることができ、感慨深いです」とコメントし、映画祭のオープニング上映作品の舞台挨拶を笑顔で締めくくった。
取材・文/タナカシノブ
満喫するための完全攻略「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2022」特集【PR】
■SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2022
日程:【スクリーン上映】7月16日(土)~7月24日(日)、【オンライン配信】7月21日(木)~7月27日(水)
会場:SKIPシティ 彩の国 ビジュアルプラザ 映像ホールほか
内容:国際コンペティション、国内コンペティション(長編部門、短編部門) ほか
URL:http://www.skipcity-dcf.jp/